要は食材が高くなったけど、給食費は上げられないから月1回給食をお休みにしよう。そして、その日は午後から休校にするか、子供達にお弁当を持ってきてもらおう、というわけです。
この記事を見ていろんなことを考えました。
「法外な野菜の値段」
まずは日本のお野菜・果物の値段。目玉が飛び出ます。今年の夏、ドイツから帰省して、神戸のスーパーで買い物をしましたが、野菜は贅沢品という位置づけなのだなと思いました。トマト1個100円というのがセール価格。レタス半分が数百円。こういった第一次食品に一律8%の消費税がかかり、さらに価格を吊り上げます。
ドイツの消費税はどうかというと、19%と7%の2種類があって、生鮮食品や出版物の消費税は7%です。低く抑えてあるのは、皆が必要とするものだからです。じゃがいもとアイフォーンが同じ税率というのはちょっと無理があるような気がします。
「給食がないから午後休校」
お昼ご飯というもはそもそも必ず12時に食べなければならないものでしょうか? 子供達の規則的な生活はもちろん大切だけれど、その日は朝ごはんをしっかり食べて登校するとか、午後遅く家に帰ってから軽食を食べるとか、いろんな選択肢があります。
ドイツでは皆が一斉に食べる日本式学校給食は存在しません。息子の学校では学食はあれど、希望者のみ。そしてその希望者は前日までにオンラインで好みのメニューを選んで予約する方式です。日本である介護食のオンライン予約みたいなものですね。
この「家庭で学校で食べるメニューを選ぶ」というのは、トラブルを事前に予防するために必要なのです。ラクトーゼアレルギー、グルテンアレルギー、卵アレルギーをもつ子供達はドイツでもかなり多いです。間違ったものを食べれば体調を壊しかねません。
ちなみに、息子が小学生の頃、学校の夏休みに日本に帰省しては田舎の小学校に体験入学させていました。とても楽しい体験だったのですが、問題が一つ。給食の牛乳で飲んで毎日下痢をしていたそうです。最近、本人から聞かされました。今でもミルクを飲むとすぐにお腹をこわします。
さらに、体質的な問題の他に、宗教的な理由で特定の肉を食べない子供もいます。最近では、ベジタリアンやヴィーガンの子供達もいます。また、お昼ご飯よりサッカーと、食事はそこそこに屋外に飛び出す活発な子供達も結構います。
「お弁当を持たせる」
ドイツの子供達はお弁当もよく持ってきます。Pausenbrot(パウゼンブロート=休憩時のパン)と呼ぶのですが、中身が必ずしもパンであるわけではなく、人参やきゅうりの野菜スティックやカット林檎であったりもします。日本で焼きそばを食べてもお昼「ご飯」と呼ぶのと同じですね。このPausenbrotをBrotdoseと呼ばれるコンテナーに入れて持たせるのですが、最近ではbento-boxなどとも呼ばれています。
私は子供にスープ用のコンテナーにスムージー、サラダ、シチュー、などをいれて持たせることがよくあります。わざわざ作ることはなく夕食の残り物ですが、翌朝、しっかり温めなおして保温容器に入れるお昼まで熱々で、子供も気に入っています。定番は枝豆スープ、グーラッシュ、チリコンカーンですね。
朝寝坊をして慌ただしい時は、サンドイッチも作る余裕がなかったりします。そういう時は、りんご1個そのまま、バナナ1本カバンに入れます。夕食のご飯の残りで握ったおむすびがお弁当になることもあります。
10年くらい前には「海苔巻きを子供にもたせたらクラスメートからからかわれた」という体験談を他の日本人の子供から聞いたこともありますが、現在ドイツでは日本食が浸透していて、ドイツの子供達もお寿司をよく知っています。ドイツにくると、駅の売店でもおむすびが売られていたりするので日本人の旅行者はびっくりするかもしれませんね。