前回からだいぶ空いてしまいましたが、第3回報告です。
試験とプレゼンテーション地獄から開放されてやっと書けます。
さて、留学中のHohenheim大では先日大学祭(Uni fest)が催されました。ドイツの大学際のゴミ対策は?! ぜひとも報告せねば、と思い立った次第です。
まず、大学祭の概要を説明しておきます。といっても基本的に九大のものと同じです。生徒と一部学外の団体による屋台が広場に並び、屋台巡りをする形式です。違うのは夜遅くまで行われ、主力商品がビールとカクテルといった飲み物であること、大型モニターによるフットボール中継があること、芸能人が来ないこと、ぐらいですね。
注目のゴミ対策;
1.飲み物は全部デポジット
会場で売っていた飲み物は以下の2タイプ。
・ビール(ジョッキ入り)
・カクテル(プラスティックカップ入り)
この内カクテルは私も飲みましたが、通常3ユーロのカクテルにデポジット料金が3ユーロでした! 飲み物3ユーロも非常に高いのですが、さらにこれにデポジット料金が付いて6ユーロ! 6ユーロというと、学食で2日分以上の食事料金。私は日々の買い物でも一回大体4,5ユーロぐらいしか使わないから結構な額です。もちろんみんな屋台に容器変換に行きます。
ちなみに流れは、
①飲み物を買う
②引換券を貰う
③飲んだ後は容器と引き換え券を持って買った屋台へ
この引換券は店ごとに異なっており、ちゃんと買った店に帰ってくるようになっています。
2.ゴミ箱前の大混乱がない
思い返せば去年の九大祭は分別が大変で、ゴミ箱ブースでは大混乱、という印象でした。が、こちらの大学祭ではそんなことありませんでした。でもゴミ箱の数が多かったわけではありません。その訳は、
・そもそもゴミがあまり出ない
屋台の食べ物はほとんど手づかみサンドイッチタイプで、ほとんどの店では、むき出しの食べ物に紙ナプキンが付いてくるだけです。これは一般的なドイツの街中で見かける屋台と同じ。商品はたとえば、丸パンではさんだソーセージや、ファラフェルというラップ状の野菜サンド。包装も簡単です。
・分別が楽
先に述べたようにゴミの主力は紙ナプキンでした。皿の上に載せてあった食べ物もありましたが、これにしても出るゴミは紙皿とプラスティックのフォークかスプーン、そして紙ナプキンのみ。全部ドイツでは「その他」のカテゴリーに一緒に捨てることができます。(前回レポート参照) 九大祭ようにくしだの、かさばるパックだのカップだのは無くて、ゴミ箱が破れる、すぐ一杯になる、液体がたまる、といった心配はありませんでした。
・回収自己責任
ゴミ箱が少なかった、と書きましたが、ゴミは各屋台の自己回収でした。基本的に主催者側、というか学校側設置のゴミ箱はありませんでした。暗かったので見逃した可能性もありますが、みんな屋台に設置されていたゴミ箱のほうに捨てていましたよ。この自己責任制が屋台側のゴミ削減努力につながったのかも。
本当にこれだけ?外部からの持ち込みゴミは無かったの? という声があるかもしれません。
大丈夫。会場入り口には怖いおねーさん=警備員が立っていて、持込を制限します。ビール瓶を持ち込もうとした私の友人はこの検問で止められました。ドイツ人はビールなどをむき出しのまま手に持ち、中が見えない硬くて厳重なバックをあまり携帯しない、という習性があるので検問が有効なんです。少なくとも飲食物に関しての持込は見かけませんでした。
結論として、Hohenheimの大学祭のゴミ対策は非常によく機能している、という感想を抱きました。
ただし、背景に文化などの違いがあり、同じことを日本でやるのは難しいことは否めません。屋台を全部サンドイッチにしろ、というわけにも行きません。
後、ドイツ人は割りと何でも手づかみで平気で食べます。食べ物の付属品が紙ナプキンだけでいいのもこうした理由からでしょう。日本人だったら「汚いから」と厳重な包装をしがちですね。また、ドイツ人はつまみ無しで飲める人種です。
食べ物を食べず飲み物だけ、という人も多かったです。これもゴミが少ない要因だったと思います。
難しい...でも、あの高額デポジットは本当に効果的でした。九大祭でも応用できませんか?
注;
今回は残念ながら写真無しです。なぜなら友達が会場に持ちこめなかったビールを入り口で一気に飲み、さらに会場内でもカクテルを飲んでいた私は非常に良い気分になり、ドイツ支部長の任務を忘れていたからです。ええ、ドイツですから。