年縞・ねんこう?
木を輪切りにすると年輪が現れます。
たとえば樹齢が300年なら、300の縞が出来てますよね。
ある湖の底には
なんと7万年分の堆積物が、実にきれいに
7万の縞となって残されていたのです。
この縞模様のことを年縞と言います。
まだ昨年の9月に開館したばかりの「年縞博物館」を訪ねました。
ここは福井県の若狭です。
年縞を取りだし標本にして、展示してあるのです。
その長さなんと45メートルです(湖底を45mボーリング)。
下がその部分拡大
一つの縞は平均0.7㎜(重力の関係で下部は狭く上部は広くなります)。
この縞模様の湖底堆積物、1年に1層形成されます。
縞模様は季節によって違うものが堆積することで
明るい層と暗い層が交互に堆積
火山活動時などには、特徴的な縞模様になります。
古い出土品がいつの時代のものかを知る手段として
「放射性炭素年代測定法」があります。画期的なこの方法も欠点があります。
どうしても数百年から数千年のズレが出てくるのです。
このズレを修正するためには、「年代ごとの正確な放射性炭素の量」が
きっちりと整った「ものさし」が必要なのですが
その「ものさし」となるのがこの年縞なのです。
年縞はいつの年代のものなのか年単位で正確にわかります。
その年縞に含まれる放射性炭素の量を測定することで
正確な年代が明らかになるのです。
この年縞は考古学や地質学における「世界標準のものさし」として
世界に認められました。
年縞を取りだしたのが、若狭三方五湖の
水月湖です。
水月湖は、年縞が形成される環境として、奇跡的だったのです。
①直接流れ込む河川がない ②湖底に生物が生息していない
③時代が経過しても埋まらない④湖底がかき乱されなかった
奇跡的な条件をこの水月湖は作り出していたのです。
その上水月湖では7万年もの間年縞を形成し続けており、
これほど長い間連続している年縞は
世界でも他に例がないのです。
これは調査に使った、水中ドローン。
この博物館では説明案内者がいます。
また、タブレットによる個々の案内も出来ます。
これは発見された花粉を3Dプリンターで拡大成型したもの
ブナの花粉でした。
年縞は気候や森林の様子等の、自然環境を知る手がかりにもなります。
年縞に含まれる花粉で、その時代の森の様子や周辺の景色を知ることが出来ます。
一般の見学者以外に
大学など、研究機関からの来訪者が目立ちます。
すぐ隣には縄文博物館もあり、
ここには湖底から出土した丸木舟が目を引きました。