営業と詐欺のあいだ (幻冬舎新書)/坂口 孝則

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時は資本主義。


企業はモノを生産し、販売する。

消費者は自分の満足を最大限に高めるために購入する。




このような俯瞰的な構図からは見えないがとても大事なのは、もっともっとミクロな世界。


つまりは、「一対一」の関係である。



その買い手としての心得が詰まった本であった。



ところで、僕は電器屋さんで家電の販売をするバイトをしていた。

そこにはやはり「売れる人」がいた。

そういった人の売り方は、他の人とは違う。違うということは、やり方があるということだ。それさえ身につければ、ある程度売ることができるようになるというのは、自分を実験体にした研究で判明した。

しかし、僕の場合どうしても「消費者」としての自分が抜け切れなかった。セールストークによって買っていく人を見るにつけ「この人は本当にこれで良かったのだろうか・・・」と不安になる。

まさに、『営業と詐欺の間』が不明確であって、それに大いに悩んだ。



この本の最後に、その答えが載っている。


答えは、『社会をより良くしたい』という意思を持っているのか持っていないのか。情報の非対称性を良いことに、搾取せず、自ら情報を開示して、貨幣を媒介にしてお互いの幸福を同量高める。


よく言われるが、これはまさに「三方よし」の考え方である。


一、自分
二、相手
三、世間


この三者の幸福を高めるように行動するということが求められる。(そういった点では、僕はアルバイト中自分の成績のことしか考えていなかったけ・・・)



しかし、隣で「一方よし」、つまりは、自分のことだけを考えて商売をして、利益を上げているのを見たら「自分も・・・」となってしまう。おそらくは僕もこうなってしまい、相変わらず、情報提供せずに売り上げを伸ばすような手段をとっていただろう。




だからこそ、消費者も相手が駆使する「売れる手法」をしっかりと知っておく必要がある。

それは、この世界が資本主義であるから、仕方のないことだ。

学校の授業でクーリングオフを習ったというだけでは現実の柔軟な環境変化に対応できない。



そういうことを思い知らされた本でした。






+α
この本には、いわゆる宗教団体が相手をマインドコントロールする手法まで詳細に書かれている。何度も訪問し、接触時間を増やすことで、人間はだんだんとそれを信じるようになるということ。相手を異空間に誘うことができれば、雰囲気に圧倒され冷静な判断力が損なわれるので、洗脳しやすいということ。
そうして、マインド・コントロールが済めば後は何にだってお金を払うようになる、というわけだ。

僕の友達が以前「一番儲かるのは宗教団体。原価の何百、何千倍もの価格をつけて販売できるし、しかも確実に買ってくれる。それに税金もかからないから、ほとんどが利益になる。」と言っていたがまさにその通りだと思う。。。