「自転車王国 中国」-。中国を訪れたことのある人であれば、街道に行き交う自転車の波を思い出す人も少なくないだろう。中国は生産ベース、販売ベースともに世界最大の自転車市場。もっとも、経済発展とともに近年は人民の新たな「足」として電動の自転車やバイクが普及している。国内に巨大な市場を持つ中国製の電動二輪車は、日本など海外市場でのシェア拡大も見込まれる。

 ◆メーカーは2000社超

 中国紙の経済参考報(電子版)によると、電動二輪車の国内保有台数は1億2000万台。生産・販売するメーカーは2000社を超え、500万人規模の従業員を抱える一大産業に発展している。

 中国では電動自転車と電動バイクとの線引きがあいまいだ。1999年に政府が発表した規定では「電動自転車は最高時速20キロ以下、車重40キロ以下」と規定されるが、時速20キロを超える性能を持つ電動自転車も少なくない。一般に電動自転車に電動バイクを含め、一つの製品カテゴリーとして捉える場合が多い。

 電動自転車・バイクの中国業界情報サイトである電動車商情網によると、2009年の中国の自転車生産台数は前年比13.2%減の7606万台だった。このうち電動自転車は同8.2%増の2369万台と、全体の生産台数が減少する中で増加。10年は生産総数が8000万台を回復する中、電動自転車は2500万台に達する見込みという。

 インターネットなどで紹介されている一般的な車種の価格帯は1000~3000元台(約1万2400~3万7200円台)。中国では自転車専用道の整備が進んでいるうえ、規格的に電動バイクと変わらない電動自転車であっても運転免許の取得は必要としない。昨今のガソリンエンジン駆動車への規制強化も後押しし、電動の自転車やバイクに乗り換える人が急速に増えた。

 中国製の電動自転車・バイクは海外でも着実に売れ行きを伸ばしている。電動車商情網によると、中国の電動自転車の輸出台数は09年が40万4000台。10年上期(1~6月期)では34万3000台と前年同期比52.8%増加した。上期の輸出先トップはオランダで、前年同期の約2倍の6万6000台、続いて日本が35%増の4万5000台だった。トルコやスウェーデン向けなども輸出を伸ばした。

 2000社を超えるメーカーが競い合う中国の電動自転車・バイク市場だが、江蘇新日電動車や緑源電動車、ブランド名「愛瑪」で知られる美林娜(天津)自行車、捷安特(GIANT=台湾企業)といったメーカーが人気だ。コア部品となる二次電池は鉛蓄電池が依然として主流だが、電気自動車(EV)製造で知られる中国の自動車・電池メーカー比亜迪(BYD)など実力のある二次電池メーカーが育ってきた。

 ◆進む高性能化

 こうした中国の二次電池産業の発展を背景に電動自転車・バイクの高性能化も進んでいる。河南日報(電子版)は国内メーカーの河南金竜集団が、国内最大規模の年産能力50万台を有するリチウム電池搭載電動バイク・自転車の工場を稼動させたと報じた。

 電動バイクや電動自転車といった二輪車の電動化で日本はやや出遅れ感がある。巨大市場で切磋琢磨(せっさたくま)された中国製の電動バイク・自転車が日本の街を行き交う日が来るのは、そう遠くないのかもしれない。


YAHOOニュースから引用


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