私はもともと下水処理の仕事が専門です。しかし、仕事をしていくうちに目先が変わってきました。下水処理場で処理された水が河川へ流れていって、その河川へどういう影響を与えるか調べていくうちに、河川環境全体(流域全体)で考えないとダメだということがわかりました。下水処理場だけでなく流域全体の生活排水や事業所の排水についても考える事が必要になりました。さらに河川への汚濁負荷は雨からもあることがわかりました。それは、京浜地方からの排気ガスが気流に乗ってきて、雨を降らせて河川に流れ込むため、工場などの事業所の環境対策も考えなくてはダメだということでした。この辺りから自分の専門が下水処理屋から環境屋へ変化しました。
 事業所の環境対策は、そこから発生する排気ガスだけでなく、電気の使用量や水の使用量、廃棄物の発生量などを削減して、最終的には二酸化炭素の発生量をいかに削減するかが問題となります。その他にも、騒音や振動も問題となります。中小企業の場合は資金がありませんから、環境問題の解決は、技術によることよりも、経営で解決することが先決です。工場の製品製造工程で、お金をかけずにエネルギーを削減することが求められます。これは、結局、企業の環境経営をいかに進めるかということになります。現在は、企業の環境経営のコンサルティングが仕事の30%くらいを占めるようになりました。環境経営にはコンプライアンスも含まれます。ということで、法律にも詳しくなりました。
 このまま行くと、自分の専門がわからなくなりそうです。一言で言うと「環境」ですが、その内容を学問的に言うと「環境総合学」となります。定年になる頃は、おそらく環境経営の仕事がメインとなるでしょう。若い時にはこうなるとは思いもよりませんでした。そもそも私は、大学は建築学科卒業です。ですから建築士でもありますが、こんな不良建築士はあまりいないでしょうね。