
全編ドキュメンタリー・タッチで進むリアリズム的手法は、単に旅の厳しさだけでなく、当時高度経済成長期にあった日本そのものを冷徹に描きえており、特に万博をめぐってのくだりは、やがてどこか捻じ曲がっていく日本の悲劇まで予見させるものがある。それにしても南から北まで移動するだけで死者まで出てしまうとは、現代では考えも及ばないかもしれないが、それが一見華やかな70年代初頭の日本の現実的側面でもあった。しかし、旅の悲劇を乗り越えて新天地で生きようとする家族のたくましさと美しさ。また、そんな家族にエールを送る佐藤勝の音楽も素晴らしい効果を上げている。キネマ旬報ベストテン一位に輝くなど山田洋次の代表作の一つとなった。いわゆる民子三部作の第一作。
故郷 (映画) - 民子三部作の第二作
遥かなる山の呼び声 - 民子三部作の第三作
「家族」予告編
http://jp.youtube.com/watch?v=JiyTSDUKLeU