高田馬場に「テリー・レコード」というレコード店がありました。店主はHさんでした。私の好みをちゃんと知っていて、それらしきCDが入荷すると必ず取っておいてくれました。今は店を辞めて母親の介護をしているようです。親孝行をしたいという本人の希望だったようです。
 そのお店に行った時に、タンゴ大好きおじさんがいました。この人はタンゴばかり聴く人ですが、ピアソラのタンゴだけは聴かないそうでした。ピアソラのタンゴは異端で、「あんなのはタンゴじゃない」そう言ってました。店主のHさんがタンゴおじさんに言いました。「こちらのSさん(私のこと)は、タンゴを聴くけど、ピアソラのタンゴしか聴かないよ」と言ったら、タンゴおじさんはハトが豆鉄砲を食らったような顔して私からサッと離れました。ピアソラのタンゴしか聴かない人がいることにかなりびっくりしたようです。実際はいろいろなタンゴを聴きますが、でもほとんどピアソラばかりです。
 タンゴといえば「ラ・クンパラシータ」「ジェラシー」などが有名です。しかし、ピアソラのタンゴはこれらの曲とは一線を画しています。ソフトではなく鋭いタンゴです。彼のバンドネオンの音はグイグイと体に突き刺さってくるようなタンゴです。

アストル・ピアソラ自身の演奏です。ピアソラの父(愛称ノニーノ)が亡くなった時に、一気に書き上げたものです。
Adios Nonino/Astor Piazzolla
http://jp.youtube.com/watch?v=a_ZKCAeMQuc

エンリコ4世という映画のサントラです。「Oblivion」は「忘却」と訳されています。踊りつきです。個人的には彼の作品の中で一番好きです。
Oblivion Beltango and Thierry le Cocq & Veronique Bouscasse
http://jp.youtube.com/watch?v=E4uW3Si484k&feature=related

ピアソラ没後ジャンルを越えた多くの音楽家が演奏しています。今ではタンゴを越えたスタンダード曲です。チェロ演奏は、ヨー・ヨー・マです。
Astor Piazzolla - Libertango
http://jp.youtube.com/watch?v=4P7HcObEhUY