日本では技術者の地位が低いです。アメリカでは医師、弁護士、建築家が三大職業とまで言われています。姉歯事件以来建築士のモラルが問題となっていますが、モラルだけでは解決できない問題ですが、ここでは技術者のモラルについて考えてみたい。
 最近企業内告発により様々な偽装が明らかになってきた。これには企業内技術者の告発によるものも多く、技術者としての良心から外への情報のリークすることにより発覚したものです。背景には公益通報者保護法(2004年施行)があります。「公益通報が不正な利益を得る目的でなされたものでなければ、解雇その他の不利益取り扱いをしてはならない」ということが法律で定められています。実際には不利益な処遇になる場合もありますが、今までのようには行きません。
 技術というのは答えがはっきり出ます。ですから偽装はすぐにわかります。本来会社にとって技術者の倫理を脅かすようなことはその会社のリスクにつながるはずです。偽装問題から会社が倒産に追い込まれることもしばしばです。技術者が倒産させたわけです。つまり、技術者にとっても告発は大きなリスクです。技術者が本来の能力を生かして、人の役に立つ技術を開発できる環境こそが必要な時代になっています。私も技術者のはしくれとしてそのような時代が来ることを願っています。でも、本当に内部告発が自身にできるかどうかはその時になってみなければわかりませんが。