フジコ・ヘミングの「ラ・カンパネラ」を初めて聴いた時は驚いた。普通は息もつかない速さで弾く曲を彼女はまったく逆の演奏をした。音を聞かせるのではなく、間を聞かせる演奏だった。この曲のこういう演奏を聴くのは初めてだった。一瞬止まるかな、と思いきや音がしてくる。でも、新鮮な演奏だった。間を聴くということは、次の音を期待することになる。とても不思議な感覚を覚えた。彼女の長年の苦労からこういう演奏が生まれたのだろう。1999年のNHKの放送で有名になった。その時67歳。67歳で見事リベンジを果たしのである。逆転の発想でのリベンジである。
 人生いつになっても諦めないことだとつくづく思った。誰もがリベンジを果たす必要があるとはいえないが、当たり前と思っていることに疑問を持つことは大切である。そのような感性を持ち続けることができれば、私もリベンジが果たせるかもしれない。