「武士の家計簿」を見て来ました。
幕末、加賀藩御算用者として使えた猪山家の家計簿が古書店で発見された事から、武家の一家の暮らしぶりがリアルに見えてきた。
それを元に作られた映画がこの「武士の家計簿」なのです。
代々御算用者として加賀藩に務めていた猪山家。
その8代目・直之(堺雅人)は商家の娘を母に持つお駒(仲間由紀恵)との婚礼を迎え、そろばんで藩に尽くすのだが、その生き方は不器用だった。
御蔵米の勘定役に任じられるも、そこで暗黙で行われていた横流しに気付いてしまう。
真っ直ぐ生きる直之にはそれは見過ごせない事であったが、周囲はそれを隠そうとする。
今も昔もお役所は変わらないと言う事ですかね。
直之は上司にも訴えるが、逆に左遷させられ、金沢から、能登へと移動を命じられる。
が、当時は、現代より、自浄作用が働くらしく、御蔵米の民への放出のおり、不正経理が発覚する。
それにより、御算用者は大きく人事が刷新され、直之も藩主の御次執筆を務める事になる。
異例の出世であった。
そして、息子の直吉の「袴着の祝い」の準備の時に、禄が増えているのにもかかわらず、家計が厳しいことが判明する。
大店などは、掛け売りも当然であった当時、多くの武士の家は少なからず借金を抱えていた。
猪山家は先代が江戸詰であった事もあり、その借金は今で言う所の2500万円近かったようです。
直之はこのままでは、借金のためにお家が潰れかねないと、外聞も捨てて立て直しに取りかかる。
まずは、家財を売り払い、家計簿をつけ、出入を管理することからはじめる。
そんなお話なのです。
この映画の良さは、食事のシーンにあると思います。
食事のシーンはどことなく暖かくて良いです。
それは家族での食事であったり、親戚一同が介しての食事であったりしますが、温かいです。
食事の内容は質素になっていくのですが、人の温かさは変わることはないと言うのが解るのです。
そして、子供の教育の姿も、良いです。
武家の家ですから、父親は厳しく道を説きますが、そこには愛情があります。
母は温かく子供を支えています。その愛情の深さの両方が子供を育てているのだなと感じさせますね。
本当に多くの人に、家族に見て欲しい映画だと思います。
時代劇ですが、時代劇らしからぬホームドラマです。
最後に、直之の父・信之(中村雅俊)が語りぐさになっているのが、加賀藩上屋敷にあった赤門にまつわる話。
将軍家の娘が嫁いだ御守殿にのみ、門を赤く塗ることが許される。
前田家に将軍家・溶姫を正室に迎えた時に赤く塗り直したのだが、この時に予算が無い中知恵を絞ったのが会計役であった伸之だったのだ。
これが切っ掛けで家禄が七十石に上がったそうです。
あの赤門にそんな話があるとはね。
興味が少しでもある人は是非見てください。
