雪月花に酒

 『ブゥン・・・』

 

 メリーゴーランドといえば、煌びやかに回り、笑顔と光溢れるものなのだが。


 このメリーゴーランドは静かに佇む。



雪月花に酒


 『ブゥン・・・』

 

 辺りを見回せば、管理人らしき男が一人いる。


 しかし、このメリーゴーランドは黙して語らずだ。


 メリーゴーランドで思い出すのは、ブラックなコントだ。


 シティーボーイズの『愚者の代弁者、うかり東へ』というライブでのコントだ。


 『義昭ちゃんとメリーゴーランド』


 病気の義昭ちゃんのために作られたメリーゴーランド。


 義昭ちゃんが亡くなっても、メリーゴーランドは残り、不気味な雰囲気さえただよう。


 住民はそろそろ撤去したいが、そんなことは義昭ちゃんの父親に言えない。


 メリーゴーランドは風が吹くと悲しそうで苦しそうな声を上げる。


 『ブゥン・・・』


 空気を読まない男が現れ、メリーゴーランドの話を父親と知らずにぶつけるのだが・・・

  

 『メーリ、メリ、ゴーランド、ゴーランド、ゴーランド・・・』

 男は歌い出す。


 なんとも設定からブラックなのだが、これを笑いへと昇華する。


 人によっては悪趣味だと言うだろうとは思う。


 私は、面白いとも思うし、悪趣味だとも思う。そのバランスが良いのだろう。


 そんな、義昭ちゃんのメリーゴーランドからすれば、まだましなメリーゴーランドだが、もの悲しさはリアルな分こちらの方が大きいのかも知れない。


 
雪月花に酒


 メリーゴーランドという大きな遊具の一部である彼ら馬たちなのだが、どことなく、違う気がする。


 遊具の一部でありながら、馬という形を与えられている事が、馬であるという意味を持たせ、遊具という枠に収まろうとしていないように思えるのだ。


 もちろん、そんなことを思うのは私が軽く病んでいるからかもしれない。


 

 廃れた、アウトレットセンターあとに残るゲームコーナー。


 ゲームコーナーとメリーゴーランド、面白自転車コーナーだけが残る。


 桜が綺麗なので、この時期はまだ良いのかもしれない。


 冬に来ていたらもっと、寂しいところなのだろう。



 
雪月花に酒