海岸線には色々なモノが運ばれてくる。
日本海側にくらべれば、怪しげなものは少ない。
ゴミだと言ってしまえば、それまでだが、被写体になってくれるモノもある。
これは、硝子。
これは、木の実。
かつて、大学生だった柳田国男は、椰子の実が漂着しているのを三度見かけた事から海流によって人や物が移動する事を思い付き、後に「海上の道」をまとめる事になったとか。
私は柳田青年の後ろに立ち、そっと、視線を追うことが出来る。彼が残してくれた本によって。
柳田国男はこの話を、島冊藤村に聞かせたそうだ。
すると、「君、この話を僕にくれないか。誰にも話すことなく僕にくれ」といったとか。
そして「椰子の実」が生まれることになる。

