有馬記念は、5番人気の3歳牝馬レガレイラが6歳牡馬のシャフリヤールをハナ差抑えて優勝しました。3歳牝馬の優勝は1960年以来実に64年振りでした。その時の馬はスターロッチです。スターロッチは、抽選馬史上初の八大競走優勝馬(オークス)で有馬記念では9番人気ながらコダマやキタノオーザを破って優勝しました。父は、フェアウェイ系の良血馬ハロウエーです。スターロッチは繁殖に上がり、30歳の長寿を全うし、多くの優駿を世に出しました。スターロッチ系からは、サクラシンゲキ、サクラスターオー、サクラユタカオー、ハードバージ、ウィニングチケットなどが出ています。
有馬記念に牝馬が勝ったのはこれで8頭目。20世紀には3頭のみ。1959年のガーネット、1960年のスターロッチ、そして1971年のトウメイです。トウメイから2008年のダイワスカーレットまで37年もの間が空きました。21世紀には、すでに5頭目。先のダイワスカーレット以後、ジェンティルドンナ、リスグラシュー、クロノジェネシス、そして今回のレガレイアです。牝馬が強い時代になりました。もう少し歴史を遡ってみると、1953年から54年にかけて強力牝馬時代がありました。八大競走最高峰の天皇賞(当時は春秋ともに3200m)は1953年春がレダ、秋はクインナルビー、1954年秋にはオパールオーキットが優勝しています。他にもタカハタやチェリオが活躍していました。当時は馬の数も少なく牝馬限定レースも少なかったので、こういう牝馬活躍の時代が出現したのかも知れません。その後は牡馬の時代が続きますが、ダイワスカーレット以後は、ジェンティルドンナ、リスグラシュー、クロノジェネシスと平均すれば4年に1度は牝馬が勝利しています。そこに寄与しているのがやはりサンデーサイレンス系ということになります。更に意識改革があったと私は思いますが、長くなるので別の機会にでも述べたいと思います。なお、レガレイラは右前脚の剥離骨折で当分お休みとなりました。
さあ、いよいよ残すはホープフルSと東京大賞典です。前者は、3頭出しのキタサンブラック産駒が中心で中でもクロワデュノールに注目です。後者は王者ウシュバテソーロに3歳の代表フォーエバーヤングが挑むという図式。果たして世代交代はなるのか?目が離せませんね。