天皇賞(秋)は、2番人気のダービー馬ドウデュースが勝利し、4年連続でGⅠ勝利という記録を打ち立てました。武豊騎手は、秋天7勝目。春は8勝しており、合計15勝という自己記録を更新しました。レースはスローで流れ、後方2番手で進むドウデュースは届くのかとハラハラさせましたが、直線上り32秒5の鬼脚で、タスティエーラに1馬身1/4差をつけてゴール。究極の末脚でした。いつも追切で凄い時計を出す馬ですが、レースにムラがあって勝てないことも多かったんですが、今回は見事にはまりました。
一方1番人気のリバティアイランドは好位から4コーナーでは手応えよく一気に抜け出すかと見ていましたが、あと200mで止まってしまい13着と惨敗しました。状態も良く原因は分かりませんが、初めて掲示板を外したのにはショックでした。まあ、名牝と言われた馬でも、宝塚記念のジェンティルドンナや有馬記念のアーモンドアイなども生涯1度の惨敗があったように、訳の分からない負け方はあるんですね。何ともなければいいですが・・・。
私の馬券は、リバティから馬連、馬単の流しとジャスティンパレスからのワイド流しでした。ジャスティンのクビ差4着は残念でした。トホホ・・。絶好調のルメール騎乗で3番人気だったレーベンスティールは8着。外枠が応えたとルメール。これで秋天の8枠は20年死に目です。ポジション取りが重要な現代の競馬では大きな不利となっています。それは、スタートして間もなくカーブのため外々を回らされるのです。20年前に勝ったシンボリクリスエスは馬も強く、ペリエ騎手の腕もあっての戴冠でしたが、レーベンスティールにはルメールをもってしてもその力はありませんでした。
ドウデュースの父はハーツクライ。サンデーサイレンスの代表馬の1頭です。サンデー系の広がりは凄まじく、種牡馬も多いのですが、ベストスリーといえば、ディープインパクト、ステイゴールド、そしてハーツクライでしょう。ディープインパクトに国内で唯一土を付けたのがハーツでした。追い込みで少し届かないという競馬をしていたハーツが、ルメール騎乗で早め先頭で押し切ったレースが2005年の有馬記念でした。一瞬競馬場が静まり返ったのを憶えています。5歳時のドバイシーマクラシックでも海外の強敵に対して逃げの手で4馬身差の快勝。夏にはキングジョージに遠征し3着と健闘。完全に本格化したと思えましたが、秋には喘鳴症が発覚し引退となりました。種牡馬としても大成功。通算勝利数も史上6位でGⅠは海外も入れて17勝。特に2000mから2500mに強く、ジャスタウェイ、スワーヴリチャード、シュヴァルグランと後継馬も多く輩出しています。中でもドウデュースは一番父に似ていると思われます。今回の末脚もハーツが秋天で記録した上り32秒8に類似性が見られます。ドウデュースは今年一杯で引退とのこと。ハーツ系の発展に寄与することでしょう。