不思議なダービーでした。メイショウタバルが出走取消で逃げ馬がいなくなり、大外から岩田康エコロヴァルツが先頭に立って超スローペースで進むうち、最後方だった池添サンライズアースが一気に先頭まで進出。乱戦模様に好位にいた人気のジャスティンミラノやシュガークンと後方にいたレガレイアとシンエンペラーが対照的でした。そんな中、じっと内にいたダノンデサイルが直線の狭い所をこじ開けて伸びてきました。まるで今までいなかった馬が突然現れたように…。ノリさんこと横山パパです。ジャスティンミラノが迫りますが、突き放すように2馬身差をつけてダノンデサイルが勝ちました。驚きの結果です。

 

 皐月賞の本馬場入場後、爪をぶつけて返し馬で痛がっていたため、大事を取って出走取り消しとなった馬でした。ノリさんの強い助言があったそうです。馬に対するこだわりが見て取れました。除外直後のGⅠ勝利は史上初。災い転じて福となすとは驚きです。こんなに強かった?競馬週刊誌の誌上パドックでこの馬だけ載せてもらってないのです。隠れ馬だったのです。まるで忍者のようにノリさんが必殺技を出したと思えるような怪走でした。スローでペースが乱れると現れる現象なのかも?

 

 スローなのに人気馬はもっと弾けても良いと感じた方も多いのではないでしょうか?私はひょっとして皐月賞の速すぎるレコードが災いしたのではないかと見ています。若い馬にとって、走り過ぎたのでは、とも感じました。もちろんそうとは限りませんが、一番フレッシュだったのがダノンデサイルだったのかもしれません。9番人気は、グレード制以後では2019年のロジャーバローズに次ぐ人気薄の勝利です。過去15年の良馬場での2馬身差は、コントレイルの3馬身差に次ぐ着差。この強さは本物か?次走に注目です。

 

 ノリさんは3度目のダービー制覇。そして最年長ダービージョッキーになりました。

久し振りのフライングディスマウントもカッコよかった。父エピファネイアはGⅠ10勝目。宿敵キズナとのライバル関係は続きます。

 そして、東西の対戦成績は、西の45勝、東の46勝になりました。1980年代までは大きく東がリードしていたのですが、気が付けば関西旋風が凄すぎた。1998年から2008年までの11連勝を含み、一気に差を詰め現在に至っています。原因は色々あるでしょうが、どん欲な関西商法が道を開いたのかも・・・。

 

 私の馬券はキズナ産駒5頭のボックス馬券見事に外れました。久しぶりの東京競馬場を楽しみましたが、入場券予約は後の方でもう席はなく、地下の映像ホールの席を友人が確保してくれたので助かりました。レースは立ち見での観戦でした。(入場料1000円は高いぞ!)でも若い人が多く、日本競馬は安泰だと感じたダービーでした。

 ノリさんと言えば、私たちのグループで女性二人が作家の乗峯さんとばったり会って、「先生!いつも見てますよ」とおだてると、作家のノリさんはニコニコ顔だったという事を聞きました。そこで私言ったのです。ノリさんつながりで馬券取ったの?と。「あー、それを忘れてた!」惜しかったねぇ。せっかくいいヒントをくれたのにねえ。(笑)