ケンタッキーダービーは今年150回の記念のレース。20頭立てでアメリカ馬18頭、日本馬2頭が参戦。日本馬の騎手は日本人という歴史的なレースとなりました。そして、フォーエバーヤング坂井瑠星騎手は、もう少しという戦いを演じてくれました。出遅れて外を回り、直線では何度も2着シエラレオーネにぶつけられながら勝ったミスティックダンに迫りました。結果はハナ・ハナ差の3着。実に惜しいレースでした。
驚いたのは、もう1頭の日本馬テーオーパスワード木村和士騎手が5着に入ったことでした。全馬の中で最もキャリアの少ない2戦しかしていない馬が5着というのは驚きです。フォーエバーヤングの父はリアルスティール。テーオーパスワードの父はコパノリッキー。どちらも遡ればサンデーサイレンスにつながります。種牡馬として日本で大活躍したケンタッキーダービー馬の子孫が母国に凱旋したというのは、競馬ならではの出来事でしょうか。SSからのお土産と言ってもいいでしょう。ケンタッキーダービーは過去6頭の日本調教馬が挑みましたが、すべて6着以下でした。芝では強い日本馬ですが、ついにダートでも世界と互角に戦える時代になったのです。入場者15万6千人、売り上げ331億円とどちらも昨年を上回る数字となりました。日本馬が盛り上げに協力したともいえるでしょう。
日本ではNHKマイルCが行われ、最優秀2歳牡馬と牝馬が初めて同時参加となり、話題を呼びました。桜花賞2着のアスコリピチェーノが1番人気、皐月賞3着のジャンタルマンタルが2番人気でした。レースは好位からジャンタルマンタルが楽に抜け出し2馬身半の差をつけて優勝。過去10年でもこれだけの差をつけた馬はいません。ジャンタルの強さが光りました。父のパレスマリスの持ち込み馬で、その後パレスマリスは輸入されています。大変な人気を呼ぶことでしょう。皐月賞の3着は強い競馬をした証しでした。2000mでも十分主役を張れる馬でしょう。当分はマイルで活躍するのでしょうが、パレスマリス自身は2400mのベルモントSに勝っており、距離は万能かと思います。2着はアスコリピチェーノが踏ん張りました。この馬も安定感があり、ダイワメジャーの晩年の名牝として活躍する馬でしょう。中々強い世代と言えるかもしれません。
世代と言えば、現4歳世代はピンチです。中心馬のリバティアイランドもドゥレッツアも脚部不安で春は全休とのこと。1/3を過ぎた現在、他世代に比べ重賞の勝利数は下回っています。また、昨年25年振りにGⅠで東が西を圧倒しましたが、今年は西の逆襲が凄い。GⅠもそうですが、重賞では先週までで西が38勝、東は14勝と大差がついています。70%以上が西の勝利という極端な現状に唖然とします。今週のヴィクトリアマイルもナミュール、マスクトディーヴァの壁は厚いか?頑張れ!東軍!