今、短期免許で英、仏、豪からの外国人騎手が来日し、騎乗しています。新たなメンバーですが、各国の一流騎手でそれぞれ持ち味を見せています。リーディング8位に仏のルメートル、15位に豪のキング、27位に英のキングスコートが目立っています。ルメートルは、ルメールと間違われそうですね。フランスの陸上短距離のエースにルメートルという選手がいて、オリンピックでも活躍しました。フランスでは普通の名前なんでしょう。この人は中々乗れる騎手で、上手に捌いて馬を上位に持ってきます。オーストラリアで活躍の女性騎手キングは、迫力ある追い方で先週のGⅡアメリカJCに勝利しました。皆さん、日本競馬のレベルの高さ、頭数の多さ、運営面の充実やファンの多いことなどを上げ、勉強したいと述べています。「私は日本でスターになった」と冗談めかして述べているのを聞くと、騎手がスポーツ選手として評価されているのは日本なんだと感じますね。ちょっとこそばゆい感じがしました。

 

 半世紀前、初めて日本に欧米の一流騎手が招待レースでやって来ました。世界的な名騎手英のピゴットや仏のサンマルタンなどがいました。当時のソ連の騎手もいたなあ。彼らは東京と京都で騎乗しました。私は京都での招待レースを見に行きました。当時のファンのマナーは悪かったですね。聞くに堪えない汚い野次を言葉が分からない騎手は声援と思ったのか笑っていました。当時はギャンブル場でしたからね。まだ文化とはいい難い状況でした。今は女性ファンも増えて、結構なことです。

 フランスに帰ってからサンマルタンは、「私は日本でシカに乗って来た」とジョークを飛ばしました。それは日本馬はひ弱いと言いたかったのでしょう。日本ではお世辞で本音は言えなかったのでしょうね。今や日本馬は強くなり、羨望の的です。ここまでの発展を誰が予想したでしょう。いい時代に生きたものです。

 

 さて、昨年の2歳リーディングですが、ここも最後の最後に逆転があり、キズナがエピファネイアを抑えました。この2頭は本当にライバルですね。エピファネイアはこれでこの部門は3年連続2位となりました。3位に新種牡馬のスワーヴリチャードが食い込みました。ファーストシーズンサイアーとしては文句なしの活躍で、ハーツクライの立派な後継ぎです。意外と言っては失礼かもしれませんが、レガレイラやコラソンビートという重賞勝ち馬を早期から出すとはびっくりです。着実に順位を上げて来たモーリスが4位、ドレフォンが5位。順位は落としたもののベスト10の常連ロードカナロアが6位。7位に古豪ダイワメジャー。初年度は期待外れだったリアルスティールが8位。全日本2歳優駿を制したフォーエバーヤングを出しています。新種牡馬の大物ブリックスアンドモルタルが9位、ゴンバデカーブースが重賞を勝っています。同じく新種牡馬のニューイヤーズデイが10位と健闘。新種牡馬で期待のキンカメ産駒レイデオロも後半伸びて11位まできています。

もう一つの話題は、朝日杯を勝ったジャンタルマンタルの父パレスマリスです。外国産馬でわずか6頭の産駒で5勝20位に入っています。いいタイミングで輸入されており、今後に注目です。このように勢力図がかなり変わってきた感がある2023年度の2歳リーディングでした。