2022年度のJRA賞の年度代表馬が決まりました。大方の予想通りイクイノックスが3歳最優秀牡馬とともに選ばれました。年間わずか4戦での受賞は7頭目でした。全70頭(2頭受賞が1回あり)の内、3歳が選ばれたのは28頭目。年齢別では一番多いのです。以下4歳26頭、5歳13頭、6歳2頭、7歳が1頭(1970年のスピードシンボリ)です。最近の流れでは、牝馬の活躍が目立ちます。1971年に史上初の牝馬の年度代表馬になったのが5歳のトウメイ。前にも紹介したように、この年11戦7勝、重賞は天皇賞・秋、有馬記念を含む5勝を挙げています。文句なしの戦績でした。ちなみにこの当時の代表馬の平均年間出走は10回ぐらいなので、現在の出走の少なさが分かりますね。なお、過去一番出走が多かったのは、1957年のハクチカラで15戦しています。

 

 年間無敗の年度代表馬は、年度順にあげると、ハクリョウ、カブラヤオー、トウカイテイオー、テイエムオペラオー、モーリス、アーモンドアイの6頭です。この内、カブラヤオー、トウカイテイオーは3歳限定の2冠馬です。アーモンドアイは、3歳牝馬の三冠とジャパンカップを制しています。そして、テイエムオペラオーは、年間8戦8勝。すべて重賞で、春秋の天皇賞、宝塚記念、JC、有馬記念に勝利するという空前絶後の大記録を作っています。これはちょっと並べないほどの快記録ですね。

 

 さて、トウメイから26年振りに牝馬の年度代表馬に輝いたのがエアグルーヴです。天皇賞・秋では、バブルガムフェローとまさに雌雄を賭けた一騎打ちで、これを破り大きな評価を得ました。20世紀では、この2頭が牝馬の年度代表馬でした。

 21世紀に入り、次々と牝馬の年度代表馬が現れました。エアグルーヴから11年たち、ウオッカが2008年、2009年と初めて2度年度代表馬となりました。果敢にダービーに挑戦し圧勝する姿に時代が変わったのを感じたものです。GⅠ7勝。1600m、2000m、2400mの古馬GⅠに勝った唯一の馬でした。牝馬の快進撃は続きます。2010年ブエナビスタはGⅠ6勝、2012,2014年と2回代表馬になったジェンティルドンナはGⅠ7勝、2018,2020年とこれも2回代表馬になったのが、アーモンドアイ、彼女はGⅠ9勝という記録を打ち立てました。その間、急成長したリスグラシューが2019年の代表馬です。牝馬で初めて、宝塚記念と有馬記念を同一年にぶっちぎって戴冠しました。このように21世紀では、牝馬5頭が8回年度代表馬となっているのです。まさに牝馬の時代が到来しています。

 

 日本で一番古い競馬専門紙と言われる「ケイシュウ」は、1937年創刊の「競馬週報」が競馬ニュースとして1938年3月から南関東の競馬予想を行い「啓衆社」主催として、1954年から中央競馬を対象とした年度代表馬の発表を行ってきました。これが今のJRA賞です。競馬を賭け事だけに閉じ込めず、スポーツ、文化としてこういう賞を作った先人の努力を高く評価したいと思います。なお、来年からは最優秀短距離馬をスプリンターとマイルに分けて選出することが決まっています。何年も前から議題になっていた件で、遅すぎましたが、喜ばしいことです。しかし、ダート部門はまだ一つなんですね。ここもスプリンターとそれ以外にすべきでしょう。ダートは地方というものの、中央でもここはもっと評価して、分けるべきでしょう。誰も何も言わないんですかね。来年からのダート競馬の大きな改革の中で、この分野だけがおろそかになっていると私は感じています。