エリザベス女王杯は、10番人気のアカイイトが勝って大波乱となりました。幸騎手が乗っていたので「幸せのアカイイト」と呼ぶことにします。元々このレースは波乱の歴史で有名です。20番人気のサンドピアレスをはじめ、17番人気のタケノベルベット、14番人気のキョウワサンダー、11番人気のクイーンスプマンテなどなど…。今年を入れて、この10年で1番人気が勝ったのは昨年だけという穴レースです。

 平均ペースと思われましたが、今の阪神はタイムのかかる良馬場で先行馬は消耗し、追い込み馬の馬場となってしまいました。1番人気のレイパパレ、それをマークしていた2番人気のアカイトリノムスメは、直線失速。レイパパレはやはり1ハロン長かったようです。アカイトリノムスメは、テンションが高く入れ込み気味でレースでも力みが見られました。

 

 勝ったアカイイトは、前々走18頭立ての16番手から追い込み勝ち。凄い脚を使う馬だと思っていましたが、前走の府中牝馬Sでは後方から追い込んだものの7着。やはり重賞ではこんなものかと軽視してしまいました。ハマったというには勝ち方が桁外れで、2馬身差は強いの一言。前にも書いたように思いますが、このレース、クビ差の接戦が多いレースで、過去10年でクビ差が8回です。今回も2着から8着までがクビ、ハナで0.3秒内に7頭がひしめく接戦でした。また、アカイイトは、キャリア20戦目とこのメンバーでは3位。遅まきながら持久力が花開いたとでもいうところでしょうか。2着のステラリアは、私もボックスの1頭に上げていましたが、外からいい脚で2着に食い込みました。3歳はやはり強いと思います。終わってみればキズナ産駒のワンツーで、やっとキズナ産駒がGⅠ奪取となりました。

 

 キズナは、ディープインパクトの後継として着々と実績を上げてきました。同期のライバルであるエピファネイアに対して、通算勝利数251勝対180勝とリードし、重賞勝利数も15勝対8勝とリード。ただし、GⅠ勝ちはこれまで2着どまりで未勝利に対し、エピファネイアは、すでに5勝とリードされていましたが、これで名実ともに一流種牡馬として名を上げました。この2頭のライバル関係はこの後も続くでしょうし、種付け料も同じ1000万円で、ロードカナロア(種付け料1500万円)と共に社台王国を背負っていく三本柱の存在になるでしょう。キズナ産駒は、父ディープと違い、大型馬が多いです。今回の出走馬でも、アカイイト514キロ、ステラリア490キロ、シャムロックヒル502キロでした。ディープ産駒のレイパパレ、アカイトリノムスメなど450キロ前後の馬より一回り、二回り大型です。切れ味では父の産駒に敵いませんが、持久力勝負では勝っているのかもしれません。