BSのシネマで西部劇「荒野の決闘」を放映していたので懐かしく見ました。巨匠ジョン・フォードの代表作で主演のヘンリー・フォンダが保安官ワイアット・アープを渋く演じていました。後にバート・ランカスターとカーク・ダグラスの「OK牧場の決闘」での再映画化はアクション中心の活劇ですが、フォードの方は、詩情あふれるものでした。それにしても西部劇は廃れてしまいました。戦後のアメリカ映画の中心となって多くの作品が放映され、私も子供の頃、テレビで「ローハイド」や「ララミー牧場」「拳銃無宿」などをかじりついて見たものでした。「ローハイド」で若い牧童役をしていた、クリント・イーストウッドは今や大監督として健在です。
西部劇は、西部開拓を中心に多くの困難と闘いながらたくましく生きてきた開拓者の物語です。西部劇に適したカリフォルニアのロサンゼルス郊外の土地がやがて映画製作の中心地ハリウッドになります。そこから多くの名作が生まれました。しかし、西部開拓史は、白人が先住民の土地を奪い迫害した歴史でもありました。そんなところから敬遠され、ワンパターンの筋書きに種も尽きたのか、衰退していきました。
西部劇のスターといえば、ジョン・ウェインを挙げなければなりません。フォードの「駅馬車」「捜索者」をはじめ、もう一人の巨匠、ハワード・ホークスの「赤い河」「リオ・ブラボー」「リオ・ロボ」「エル・ドラド」などに主演し、西部劇といえばジョン・ウェインといわれるようになりました。
西部劇に欠かせないのが、馬です。迫力ある馬の疾走は手に汗握りました。インディアンの襲撃や列車強盗でのアクションなどで馬は準主役のようなものでした。よく訓練された馬は、よく走り、上手に転倒します。アメリカの映画俳優はみんな馬に乗るのが上手です。ジョン・ウェインももちろん上手に馬を乗りこなしていました。敵を前にして後ろを見せずに、まっすぐ後退していくシーンは訓練された馬とはいえ、見事なものです。こんな話をしていると、何故か懐かしさがこみ上げてきます。知らない外国の土地なのに、郷愁のようなものが溢れます。私以外にもこういった西部劇が大好きな日本人は多いのです。
日本でも傑作の呼び声が高い映画に黒澤明監督の「七人の侍」があります。野盗と農民に味方する浪人たちとの戦い。激しい雨の中で馬が走り大立ち回りをする場面は、迫力があり、アメリカ人も驚いたそうです。黒澤明は、馬が大好きで著書の中でも馬の魅力を語っています。彼が若い頃、助監督として付いた映画「馬」は高峰秀子演じる少女と馬との触れ合いを描いた佳作です。その他の彼の映画には馬がたくさん出てきます。「影武者」や「乱」などです。しかし、もう今では、そんなに馬をたくさん使えるような映画は出来ないというのが現実です。場所がないのですね。西部劇も時代劇も古き良き時代の産物なのかもしれませんね。
「荒野の決闘」の原題は「マイダーリン クレメンタイン」です。過去の私のペーパー馬にオーマイダーリンがいました。もちろん、「荒野の決闘」を見ていたので、ヒロインの名前からこの馬をペーパー馬に指名したのです。準オープンで頑張っています。ハンデ戦で軽いハンデがつけば重賞でもと思っているんですけどね・・・。