馬の寿命はどのくらいでしょうか?大型の馬よりポニーなどの小型馬の方が長生きだと言われますが、正確な統計はないようです。おおむね25歳ぐらいだと言われています。サラブレッドは記録がしっかりしているので、種牡馬で調べてみると、時代によってばらつきがあるようです。
1960年~70年代では、ヒンドスタン22歳、トサミドリ24歳、パーソロン25歳、ネヴァービート25歳、チャイナロック29歳、テスコボーイ25歳と平均寿命といわれる25歳に当てはまります。シンザンは特別で当時の記録である35歳まで長生きしました。日本一強い馬が日本一長生きするなんて奇跡といってよいでしょう。その後の名種牡馬では、ノーザンテーストも33歳まで、ブライアンズタイムも28歳まで長生きでした。同時代の三強の一角トニービンは17歳まででした。個体差はありますね。
そして21世紀の名種牡馬たちはというと、サンデーサイレンス16歳、ディープインパクト17歳、キングカメハメハ18歳、マンハッタンカフェ17歳と短命に終わりました。これは、ひょっとすると種付け頭数が多すぎた結果ではないかと思われるのです。20世紀まではせいぜい年間60~70頭ぐらいが普通でしたが、21世紀の人気種牡馬たちは年間150頭以上、中には200頭以上の種付けを強いられているのです。シャトル種牡馬なら1年中場所を変えて使われます。このストレスは大変なものでしょう。もちろん、十分な手当てがされ、健康管理も行き届いているはずですが、ちょっと多すぎたのではないかと思えてしまいます。
次に母馬は何歳まで子供を産めるかという分野です。アングロアラブの1頭は28歳で妊娠し、29歳で出産という記録があるようです。とても人間と比較をすることは出来ません。ちなみに繁殖牝馬の最多出産記録は、ステイゴールドの母ゴールデンサッシュとアキノマイリーの19頭です。また、オグリキャップの母ホワイトナルビーも凄い繁殖馬です。14年連続出産で計15頭の母親になりましたが、15頭はすべて勝ち上がり、中央地方を含めて133勝を上げました。しかもうち13頭はすべて違う父親でした。これにより同馬は、地方競馬全国協会から特別表彰を受けています。
次にどの年齢ぐらいで産めば優秀な産駒が生まれるのかです。一般的に高齢馬(17歳以上)出産は、活躍馬は減ると言われています。栄養が十分に子供にいきわたらないのかもしれません。ダービー馬を例にとると、一番若い母親は、母が4歳時に生まれたタニノムーティエで、逆に一番高齢で出産したのはミナミホマレとキズナの母20歳でした。96%が母16歳までの馬で、一番多かったのは、母11歳の時の12頭です。おおむね14歳までが適齢というところでしょうか。なお、ダービー馬キズナの母キャットクイルは1995年に後の桜花賞馬ファレノプシスを生み、その15年後にキズナを生んでいます。GⅠ馬のきょうだいとしては最長の間隔で生まれた2頭です。凄い母親ですね。
先週は、夏競馬のハイライト札幌記念が行われ、白毛のアイドルホース、ソダシが快勝。3歳牝馬による勝利は史上3頭目で、GⅡ昇格後では、ハープスターに次ぐ勝利となりました。一方小倉では、北九州記念が行われ、こちらも3歳馬、九州産のヨカヨカが勝利。熊本産馬の重賞勝利は史上初。北と南で快挙達成の1日となりました。今年の3歳、中々強いですね。秋競馬に向けて話題の馬が活躍することは競馬界にとっても嬉しい限り。夏競馬もあと2週。追い風を受けてラストスパートに入ります。