今年の新種牡馬の中で最も注目されるのは、キタサンブラックでしょう。GⅠ7勝馬で2回年度代表馬になった名馬でした。しかし、7頭いる産駒100頭越えの種牡馬の中に彼の名前はありません。83頭というのは微妙な数ですね。ステイヤーという事で、生産者はおそらく少し様子見の所があったのではないでしょうか。ファンとしても彼がどんな子供を出してくるのか注目していると思います。
キタサンブラックの父はブラックタイド。ディープインパクトの全兄です。全兄弟が必ずしも成功するとは限りません。同じ遺伝子を持っていてもやはり違うのですね。天馬トウショウボーイの弟トウショウイレブンやリーディングサイアーのパーソロンの全兄弟ミステリー、ペールなども成功しませんでした。ノーザンテーストの全弟サドンソーもそうでした。
ブラックタイドは、スプリングステークスに勝ち、クラシック路線に乗りましたが、皐月賞後に屈腱炎で長期離脱し、カムバックしましたが不振のままで引退しました。父サンデーサイレンスにそっくりで、馬体は大きくディープインパクトより目立ちました。ラジオたんぱ賞2歳Sで直接見ましたが、いい馬でしたね。ただ、この時はコスモバルクの強さに驚いたことの方が印象に残っています。
ディープのお兄さんという事で人気を集め、キタサンブラックを出して大成功。ベスト10に全兄弟が入る(2回)のは快挙です。他では、現時点でオルフェーヴル7位と兄のドリームジャーニーが38位というのが目に付くぐらいです。
話が少し脱線しましたが、7頭の産駒100頭越えの中に意外な馬がいます。シルバーステートというディープインパクト産駒です。重賞勝ちのない馬が何故こんなに人気なのか?新馬戦で負けたあと4連勝でそれも持ったままの大楽勝というのが未完の大器と呼ばれる所以です。私も競馬場でこの馬を見ましたが、確かにスピードは凄いものを持っていると感じました。ただ、足元が耐えられないのか、故障が心配な血統のようです。全弟のヘンリーバローズも同じような経緯で引退し、種牡馬になっています。母のシルヴァースカヤは、フランスでGⅢ2勝を含む5勝を挙げ、凱旋門賞も8着と健闘した馬で、長距離が得意でした。日高の生産者としては救世主になってほしい馬でしょう。そして早くも産駒は新馬勝ちをしています。
他のディープインパクト産駒では、サトノアラジンとディーマジェスティが名を連ねています。どちらもGⅠ馬でそこそこの産駒がいるので期待は大きいでしょう。そして全体1位の産駒数を得たのは、コパノリッキーでした。ダートGⅠを総なめにしたダート界の雄です。ダートチャンピオンであったゴールドアリュールの後継馬としての期待大でしょう。また、UAEダービーや、ベルモントS3着などで活躍したラニも面白い存在です。父タピットはアメリカの大種牡馬で、母は天皇賞馬のヘブンリーロマンスという良血です。気性がどう出るかで大物もあり得るでしょう。種牡馬の世界も大変な競争ですが、ファンにとっては好きだった馬のデビューは楽しみでしょう。これが競馬というものですもの。