NHK朝の連続テレビ小説「おちょやん」が今日終了しました。コロナ禍でも、主役杉咲花の熱演と助演者たちの好演で半年間楽しめました。モデルは、関西の新喜劇で人気を博した浪花千栄子です。南河内で生まれ、貧しさゆえに、幼少期に大阪道頓堀へ女中奉公に出され、学校にも行けなかったのですが、努力して人気女優となりました。訛りの強い河内言葉から、船場の柔らかい大阪弁に変わり、「大阪のお母さん」というイメージが定着しました。東京出身の杉咲花ですが、その雰囲気をうまく出して、大阪弁も上手に表現していました。また、子役の毎田暖乃が素晴らしく、だらしない父親を怪演したトータス松本に「あんたらが私を棄てたんやない、私があんたらを棄てたんや!」と叫ぶシーンは圧巻でした。大阪生まれの私には懐かしい時代がよみがえりました。高校時代からバイトで得たお金で映画を見ることが多く、社会人になってからも、大阪労映などに入り、名画座で多くの映画を見ました。浪花千栄子は、多くの映画にも出ていました。

 

 戦後の日本映画界は活気がありました。私独自の評価では、黒澤明、小津安二郎、溝口健二、木下恵介が四天王と呼ぶ大監督たちでした。黒澤明は、男性的な映画で主役に三船敏郎がいましたが、他の3人は女優が主役。コンビのように名演を見せたのが、小津安二郎監督には、原節子、溝口監督には田中絹代、木下監督には、高峰秀子でした。世界に認められたこれらの監督の映画に脇役として重宝がられたのが、浪花千栄子でした。この人は、まるで演技をしていないかのように見えました。市井の人がそのまま出てきているような雰囲気があったのです。助演賞もたくさん受けています。「おちょやん」ブームで、大阪の名画座では、浪花千栄子特集の映画が上映されていると聞きました。溝口監督の秀作「祇園囃子」もその1本。お茶屋の女将を演じた浪花千栄子の演技は味がありました。もう一度見たいなぁと思うのですが、大阪まで出るのは、この緊急事態の中、断念しました。

 

 長々と映画の話になってしまいましたが、今週はヴィクトリアマイルです。今年で16回目を迎えます。この競走が出来たときは、ビクトリアカップの再登場かと思いました。3歳牝馬の秋の大レースとして設けられたレースでしたが、6回施行されたのち、エリザベス女王杯が出来て廃止になりました。でもヴィクトリアマイルは、ビクトリアカップとは関係がありません。ヴィクトリアは、ビクトリア女王ではなく、ローマ神話に登場する勝利の女神の事でした。設立当初は、GⅠメンバーが集まるのか心配でしたが、第4回以降、ウオッカ、ブエナビスタ、アパパネ、アーモンドアイと、牝馬の時代に乗り、立派なレースとなっていきました。ローテーションが組みやすいのでしょう。秋のエリザベス女王杯は、更に上のジャパンカップに挑戦する牝馬がおり、メンバー的にはヴィクトリアマイルが上回るとも言えます。

 

 今年18頭中、ディープインパクト産駒が10頭とGⅠ最多出走の記録を打ち立てています。そして、中心は文句なく、グランアレグリアです。昨年の安田記念で最強馬アーモンドアイに完勝しているのですから、ここでは2枚も3枚も格上といえるでしょう。注目は、昇り馬のデゼル、テルツェット。どちらも決め手を持っているディープ産駒です。展開は、内からイベリスとスマイルカナ、外からディアンドルも行くでしょうから、ハイペースと読んでいます。大外になったレシステンシアは、前走のように抑えて好位からではないでしょうか。グランアレグリアは中団から直線一飲みで決着をつけるというのが私の見方です。馬券は、3連単の1着グランで固定の、2,3着にサウンドキアラ、デゼル、テルツェット、マジックキャッスル、ランブリングアレー、レシステンシアの6頭で30点。

 さて、このメンバーで浪花千栄子は誰かと言われたら、私はサウンドキアラにします。理由は、牝馬の6歳、22戦とここでは最多の出走歴。母の父アグネスデジタルは、何でもござれのオールマイティ馬でした。演技の幅が広いという事です。という事で、サウンドキアラの複勝と、グランアレグリアへのワイドも追加しておきます。各馬の名演を期待してお開きといたします。