春の天皇賞は、昭和の時代は4月29日、天皇誕生日に行われる唯一、日が決まっていた特別なレースでした。グレード制になる前は、春秋共に3200mの時代でした。秋が2000mになったことで、春天が孤立しているという人もいますが、私は孤立ではなく孤高の存在だとみています。オーストラリアのメルボルンカップのような存在でいてほしいとも思います。ファンはレースへの愛着が深いのです。距離の短縮などすればどんなに落胆するファンがいるのか分かっていない人もあるようですが、一概に距離短縮が進歩だなどとはとても思えません。それはともかく、今年は京都競馬場のリニューアル工事のため、阪神競馬場での開催、しかも新型コロナによる無観客競馬となります。

 

 JRAになってから、阪神での春天は4回行われました。1965年のアサホコ、1970年のリキエイカン、1980年のニチドウタロー、1994年のビワハヤヒデです。アサホコ以外は知っています。リキエイカンはテレビで、後の2回は生観戦でした。27年ぶりとなりますが、阪神新コースになってからは初めての3200mです。このため、2月に3勝クラスの松籟ステークスが予行演習のごとく行われ、ディアスティマが3馬身差で逃げ切りました。1週目は外回り、2週目が内回りというコース設定のため、1週目に馬が通り過ぎてから2週目の内回りを空けるために、20人がかりでロープ柵を移動させたようです。

 

 さて、今年のメンバーは一流半という評価ですが、本格化してきた馬や条件戦からの昇り馬など多士済々です。私が注目しているのは、種牡馬デビュー2年目のライバルといえる2頭、キズナとエピファネイアです。2頭とも好成績で、新時代の到来を予感させています。キズナは勝利数や勝利頭数でエピファを上回っていますが、今のところエピファのように大物は出ていません。エピファは、三冠牝馬のデアリングタクトに皐月賞馬エフフォーリアを出し、この点ではリードしています。現役時代、ダービーやサンケイ大阪杯での勝利でキズナはエピファを圧倒しましたが、エピファも菊花賞やジャパンカップで素晴らしい勝ち方をして2頭とも期待の種牡馬入りをしました。第2ラウンドが始まっているのです。キズナはここで是が非でも金星を上げたいところ。前哨戦の阪神大賞典を快勝したディープボンドが期待の星です。勝てば自身初のGⅠ勝ちで父ディープインパクトの後継として評価されることでしょう。一方エピファ産駒のアリストテレスも昨年の菊花賞で三冠馬コントレイルに食い下がった実力をここでも生かしたいところです。勝てばルメール騎手の三連覇で武豊騎手に並びます。土日が傘マークなのはちょっと心配ですが、2頭の戦いは見ものです。

 

 他の見所は、菊花賞馬ワールドプレミアの復活です。日経賞にその兆しが見られました。騎乗する福永騎手にとっても春天は未勝利なだけにぜひとも勝ちたいところですね。そして、その日経賞で1,2着したのが、ウィンマリリンとカレンブーケドールの牝馬勢で、68年ぶりの快挙でした。ただし、牝馬が春天を勝ったのは1953年のレダ以来出ていません。グレード制後では、23頭が挑戦して掲示板に乗った牝馬は0です。この厚い壁を乗り越えられるのか、今年はメロディーレーンを入れて3頭が挑戦します。思えば、昨年の芝古馬混合のGⅠは春天を除いて牝馬の10戦9勝でした。時代が牝馬に味方しているのなら、この実力馬2頭が大きなことをやってくれるかもしれませんね。このメンバーでは、実績は見劣りしませんから。いずれにしても新時代の春天には見所が満載という事で最後に私の予想です。ディープボンド、アリストテレスの2頭軸にワールド、カレン、ディアスティマ、ナムラ、ウィン、オーソリティの6頭を絡めた3連複です。更に枠連の1-1,1-6,1-8,6-8も。計10点でステイホーム!