クロフネが23歳で逝ってしまいました。ここ数年で名馬の死が続きます。2015年からの著名な種牡馬10頭の死亡年齢の平均は、20、8歳です。ディープインパクトの17歳、キングカメハメハの18歳は若い方です。シンザンやノーザンテーストのように長生きする種牡馬もいますが、今の人気種牡馬は、ストレスも多いのではないでしょうか。
クロフネは、何度か書いていますが、芝、ダートの両方でレコードを出し、両方でGⅠを勝っています。特にダートでの圧巻のパフォーマンスは歴史に残るものでした。ディープインパクトの加速力、サイレンススズカのスピードの持続力など、異次元の馬たちの勇姿はいつまでも私たちを魅了し続けます。ダートでのクロフネの異次元の走りもそうでした。外国産馬にも門戸が開かれた2001年に、かつてペリーが浦賀にやって来たクロフネになぞらえたネーミングは、馬主の金子氏の思いが現れていました。金子さんはここ数年でディープ、キンカメ、クロフネと別れを告げられたわけです。ディープの死の時には涙が止まらないと仰っていました。クロフネへの思い出も多いことでしょう。
クロフネは、種牡馬としても大成功し、昨年7月で引退していました。国内種付け累計レコード3000頭超えを持つ歴代最多交配サイアーという丈夫な種牡馬でした。実績も15年連続リーディングサイアーベスト20に入る人気種牡馬で、ベスト10にも10回入っています。活躍馬には牝馬が多いのが特徴で、スリープレスナイト、カレンチャン、ホエールキャプチャ、アエロリット、ソダシがGⅠ馬です。牡馬では、フサイチリシャール、クラリティスカイが目立つ程度です。また、母の父としても優秀で、ノームコア、クロノジェネシス姉妹が最近の活躍馬です。クロフネの父、フレンチデピュティは、クロフネの活躍により輸入されましたが、これも大成功でした。こちらは29歳と長生きで、かつてはベスト10の常連で、アドマイヤジュピタ、エイシンデュピティ、レジネッタ、サウンドトゥルーなど芝、ダートに距離もこなせる万能種牡馬として活躍しました。母の父としても優秀で、マカヒキ、ショウナンパンドラ、レインボーラインなどが活躍し、クロフネと親子でブルードメアサイアーランキングの上位に顔を出しています。日本競馬にマッチしたヴァイスリージェント系は、今後も母系を通じて繁栄していくことでしょう。
ところで、私が選んだ芦毛7名馬は、タマモクロス、オグリキャップ、メジロマックイーン、ビワハヤヒデ、クロフネ、ヒシミラクル、ゴールドシップですが、ヒシミラクル、ゴールドシップ以外は亡くなってしまいました。これらの馬は、父系を残すことが出来ませんでした。後継種牡馬を残すのは大変なことです。しかし、母系を通じて何とか残っており、今後も血統表の中に彼らの名前を見つけることでしょう。今は、クロフネの忘れ形見である白毛馬ソダシの活躍に期待することにしましょう。