記録ラッシュに沸いた2020年。種牡馬の世界では、静かに世代交代の足音が迫ってきた年でもありました。ディープインパクトの天下はまだ安泰ですが、産駒はやがていなくなります。昨年のリーディングサイアーのベスト10を見ると、2位のロードカナロアが次期政権の有力候補ではありますが、アーモンドアイとサートゥルナーリアという大物がいなくなる今年に一気に奪取とはいかないでしょう。しかし、3位のハーツクライも19歳という年齢からこれ以上の伸びしろはないでしょう。一昨年10位だったオルフェーヴルが一気に4位に躍進。台風の目になりそうです。

 

 更に躍進著しいのが、一昨年デビューのキズナとエピファネイアです。それぞれ37位と48位からベスト10の8位と9位に入ってきました。これに続けと、昨年デビューしたドゥラメンテとモーリスが、早くも2歳リーディングの2位と3位を確保。上々のすべり出しです。この4頭がロードカナロア、オルフェーヴルとともに時代を担う存在になっていくのでしょう。ディープ亡き後の覇権争いが始まったとみていいでしょう。

 

 他で目立つのは、ヘニーヒューズの好成績。ベスト10に入ってきました。ここもダート部門でゴールドアリュールとサウスヴィグラスが争っていた後を継ぐ新星といったところでしょうか。また、母の父という分野では、ついにサンデーサイレンスが2位に落ち、キングカメハメハが首位となり、ディープインパクトも後を追うように10位から5位に順位を上げてきました。新たなステージで再びこの両馬が対決することになるのでしょう。豊富な産駒を持つ両馬の戦いは、数十年続くでしょう。

 

 人の記録では、騎手はルメールの独壇場。200勝は余裕の数字です。川田騎手の勝率0.281(年400回以上騎乗)は、一昨年を上回る史上2位の記録でした。(1位は武豊騎手の0.291)福永騎手の安定感、松山騎手、北村友一騎手、横山武史騎手の躍進も話題になりました。また、武豊騎手も115勝と久しぶりに存在感を見せてくれました。調教師では、藤沢和雄師が通算1500勝という金字塔。馬房数の制限がなかった尾形師は別格としても、真に偉大な記録と言っていいでしょう。