JRAの全日程が終了。記憶にも記録にも残る大変な年でした。世界的なコロナ禍の中、無事に競馬が行われ、GⅠを3勝した馬が4頭も出るなどマスコミにも大注目された1年でした。日本馬のレベルの高さ、JRAの運営能力の高さを称賛したいと思います。娯楽の少ない中、週末に競馬があることでどんなに救われたことでしょう。忘れられない年の年度代表馬は?私の予想です。

 

 2歳牡馬は、ホープフルSと東京スポーツ杯を勝ったダノンザキッド。2歳牝馬は、阪神JF、アルテミスS、札幌2歳Sを勝ったソダシと文句なしと言えるでしょう。3歳牡馬牝馬も三冠馬のコントレイルとデアリングタクトで決まりでしょう。短距離部門は、春秋のマイルGⅠ安田記念とマイルCS、更にスプリンターズSまで勝ったグランアレグリアでしょう。最優秀古馬牡馬は、牝馬に席巻された中で唯一健闘したフィエールマンが有力です。例年充実のはずの4歳牡馬がGⅠで1勝もできないというグレード制以後初の出来事でした。古馬牝馬は、アーモンドアイとグランアレグリアの一騎打ち。どちらになってもおかしくないと思います。ダート部門は、交流レースを入れると、クリソベレルが一歩リードでしょう。障害部門は、ついに土がついたけれど、春の圧勝が効いて、やはりオジュウチョウサンかな。

 

 さて、総合の年度代表馬は?普通の年ならGⅠ3勝していればほぼ該当となりますが、今年はそんな馬が4頭もいるのです。そんな年が過去にもありました。1999年です。スペシャルウィークは、春秋の天皇賞とジャパンカップを勝ち、グラスワンダーは春秋のグランプリ宝塚記念と有馬記念でスペシャルウィークに勝っていました。スペシャルウィークの白井調教師は、当時「うちの馬かグラスワンダーかだと思っていた」と述べています。記者投票ではスペシャルウィークがリードしていましたが、僅差のため、選定委員会にかけられ、何とエルコンドルパサーが逆転で選ばれたのです。確かにエルコンドルパサーは凱旋門賞で惜しい2着になり、大変な評価を受けました。しかし、年間通して活躍したのはスペシャルウィークで、フリーハンデではエルコンドルパサーが上でしょうが、年度代表馬となると首をかしげたくなります。スペシャルウィークとグラスワンダーは、特別賞に落ち着きましたが、これは逆で、エルコンドルパサーが特別賞ではないかとの意見もあり、記者からの要望もあり、翌年から記者投票を優先するようになりました。これは、選定委員会が舞い上がり過ぎたというべきでしょう。エルコンドルパサーに勝ったモンジューがジャパンカップに出走し、スペシャルウィークに敗れたことも考慮しなければならなかったでしょう。モンジューがピークを過ぎていたかもしれませんが、出走する以上それを理由にはできません。それがまかり通れば評価などできないからです。まぁ、そんなことで大いにもめた例でした。

 

 今年注目するのは、恐らくアーモンドアイとコントレイルだと思います。直接対決のジャパンカップでアーモンドアイが勝っているので有利と見ていますが、過去牡馬三冠馬が年度代表馬にならなかったことはありません。しかもコントレイルは史上3頭目の無敗三冠馬です。三冠馬が平均10年に1頭なら、無敗三冠馬はさらに偉業です。アーモンドアイも長らく名馬が成しえなかったGⅠ7勝の壁を破り、9勝まで伸ばしました。甲乙つけがたいですね。

 

 年度代表馬は、啓衆社時代から行われていますが、たった1度だけ2頭が選ばれた年があります。1963年です。皐月賞とダービーを勝ったメイズイと天皇賞と有馬記念を勝ったリュウフォーレルです。この両馬は有馬記念で対戦し、リュウフォーレルが勝っています。今の基準ならリュウフォーレルでしょうが、当時はダービーの値打ちが上で、しかもメイズイは初めて2分30秒の壁を破った快速馬でした。三冠を賭けた菊花賞ではハイペースに巻き込まれ惨敗していますが、ダービーの値打ちが評価されたのでしょう。さあ、どうなるのか?いずれにしても、凄い馬たちが見せてくれた走りに感謝です。では、よいお年を!