今年の朝日スポーツ賞にアーモンドアイと国枝調教師が選ばれました。競馬関係が選ばれるのは、武豊騎手が2年連続でダービーを勝った年以来というから中々の偉業です。競馬がスポーツとして脚光を浴びるのはそう多い事ではありません。社会現象とまで騒がれたのは、ハイセイコーとオグリキャップでした。そしてもう1頭。高知競馬のハルウララがいました。ハルウララは、連戦連敗で当たらない馬から交通事故のお守りとして馬券が売れ、マスコミ報道でいつしか全国区の人気者になりました。

 しかし、それは競馬が本来持っているものと真逆のものでもありました。競馬は優勝劣敗が基本です。一番おかしいと思ったのは、「負け続けても一生懸命走っている姿に感動した」とかいうコメントです。ハルウララに限らず、多くの馬は負ける方が多いし、一生懸命走り続けているのです。競馬がおかしな方向に行き始めていると当時感じました。マスコミはハルウララ狂想曲にのり、話題づくりに熱心でした。ブームというのは、意外な方向に流れていくものだと感じたものです。

 

 幸い、新しい馬主になった人はすぐにハルウララを休養させ、引退させました。その詳しいいきさつは知りませんが、私はほっとしました。ドル箱を失った高知競馬は馬主を非難しましたが、彼女はもう十分貢献したと思いました。今は穏やかに牧場で過ごしているとのことです。

 武豊騎手は、交流重賞黒潮杯当日ハルウララに騎乗して話題になりましたが、彼は競馬のためならそんな依頼も引き受ける人です。しかし、売り上げがハルウララの出たレースの方が多かったのです。彼は「今日のメインは黒潮杯ですよ」と言いました。武騎手の中にも違和感があったのでしょう。マスコミの取り上げ方に大きな問題を残した出来事でした。

 もう一つ、負けるのが分かっている1番人気のハルウララを外した馬券で儲けようとした人がいました。もちろん、それは非難すべきことではありません。私には思いもつかないことでしたが、冷静に考えてなるほどと思いました。でも、何故か「いや~な感じ」がしました。うまくいえませんが、相反するものが渦巻いて、うまくそれを利用するという選択に対してのものでしょうか。いや、お祭り騒ぎの裏で、やっぱり冷静なんでしょう。

 

 さて、アーモンドアイが去って、次のスターホース候補が出現するかという2歳GⅠが始まります。まずは牝馬の阪神ジュベナイルフィlリーズです。このレース、白毛馬初のGⅠ馬を目指すソダシに注目が集まります。同じ血統ですが鹿毛に出たメイケイエールとの同族対決にも注目ですし、7000頭のわずか1%にも満たない九州産馬が2頭も出る奇跡のレースになりました。さあ、アイドルホースの誕生成るでしょうか。