私たちの参加したツアーには、オプションとして、シャンティイ調教場及び競馬場ツアーと、世界遺産モンサンミッシェル行きツアーがついていました。どちらかを選ぶのですが、世界遺産の中でも人気のあるモンサンミッシェルも捨てがたいところですが、やはり競馬一直線の私たちは、シャンティイを選びました。朝早く出発してシャンティイへ向かいました。調教場であるシャンティイの森は深く、夜明けの遅いフランスではまだ暗く、鳥の鳴き声がこだましていました。やがて朝日が差し込み、遠くで馬の走る音が聞こえてきました。何本かある道が交差しているところで、無線機を持った人がいて、何か指示しています。数分の後、馬が現れ私たちの前を走って行き、戻ってきました。調教師が調教の感触を確かめているようでした。日本とはずいぶん違う風景ですが、自然を利用した調教は馬をリラックスさせる目的もあるのでしょう。一体どのくらい走路があるのか分からないほどのスケールでした。

 

 次に向かったのは、競馬博物館になっている大厩舎です。ここは昔の大きな厩舎を改造して博物館にしています。歴史を感じさせる建物です。東京競馬場の「競馬博物館」と横浜根岸の「馬の博物館」を合わせたようなものです。ここの土産店も日本人は上得意のようで、馬に関するお土産に日本人客が並んでいました。もちろん私たちも・・・。博物館の中には円形の馬場もあり、丁度地元の小学生の団体が来ていました。一人の女性が何か説明をして、後の二人の女性が馬に乗り演技をしていました。フランス語は分かりませんが、質問がある人みたいな問いに何人かが手を挙げていましたが、フランスの子供たちは馬について興味津々なのでしょう。競馬好きというより、馬好きな国民性が見られました。一方で競馬はギャンブルという意識が高いのか、一部のレースを除いて、競馬場は閑散としていて、場外馬券の売り上げが98%とは驚きでした。そういえば、昨夜TM君と出かけたとき、凱旋門賞の結果の記事が見たくて、新聞を買おうとすると、売り子はしつこくそんな終わったことより、明日の競馬新聞を買えと催促したのには閉口しました。昔、大橋巨泉氏などが、無茶苦茶外国の競馬をほめて、何でも真似すればいいんだと言っていましたが、短期免許で来るようになったペリエ騎手によってそんなものじゃないということが分かってきました。フランスはギャンブルが第一で、汚いヤジも多いけど、日本は騎手もリスペクトしてくれると、日本競馬の良いところをペリエが伝えて、ルメールなどが来てくれたのです。まぁ、文化の違いはあるものの、競馬の新しい文化国として日本は一口倶楽部馬主やPOGなど独自の道を進んで発展してきたのだと思います。

 

 競馬博物館の横には、美しいシャンティイ城があります。丁度競馬場から見る3・4コーナーにその姿が見られます。私は日本100名城の半分くらい行きましたが、テレビで見るドイツのお城などの美しさはまた格別で、この時のシャンティイ城も素晴らしい建築でした。ちなみに日本の城で一番好きなのは、長野県の国宝松本城です。黒い城が遠くのアルプスの眺めと相まって見事な調和を見せています。

 そして、開催中のシャンティイ競馬場に着きました。ロンシャンよりは小さいけれど、美しい競馬場です。フランス最古の歴史を持ち、フランスダービーやオークスが行われます。ダービーより、ディアヌ賞(オークス)が盛況で、着飾った女性が多く華やかだそうです。ここで、何と関西テレビの杉本清元アナウンサーに会いました。1970年代、私が熱狂した時代の名アナウンサーです。これも日本競馬の文化の一つと言っていい名実況の数々を残してくれた人です。私は有名人のサインには興味がありませんが、例外はあります。ここで杉本さんのサインをもらおうと思った私は、紙がないのでレープロにサインをもらいました。杉本さんに色んな話を聞きたかったのですが、周りに4~5人がいたので、引き上げました。杉本さんの競馬実況レコードを持っていますが、今や私の宝物です。

 この時のツアーに参加していた女性は、この時のために1年間働いてるんですと言っていましたが、こうやって気軽に海外の競馬に行ける日が来るとは、いい時代になったと感じました。書きたいことはまだまだありますが、今回はこの辺までにしておきます。