私が競馬カメラマン久保吉輝さんと会ったのは、2009年スポーツニッポン紙上の乗峯栄一

氏のコラムに大阪道頓堀のギャラリーで「テンポイント展」が行われているという情報からで

した。テンポイントファンの私は早速出かけたのです。そこで自称「テンポイント評論家」を名

乗るF氏とも出会い、久保さんともども意気投合したのです。テンポイント展の内容がやや物

足りなかった私は翌年がテンポイントの33回忌でもあったので、「テンポイント33回忌展」とし

てスケールアップした展示を提案しました。

 私の古い友人のT君も協力してくれました。彼はテンポイントの新馬戦の写真を撮っており、

それは各種マスコミでもなかったので雑誌などにもよく使用された貴重なものでした。私も馬

主さんが作成された有馬記念優勝の記念ネクタイピンや、テンポイント闘病を記録したスク

ラップブックなども展示させてもらいました。また、久保さんとF氏は、故高田オーナーの奥さ

んに天皇賞優勝のカップをお借りして展示したのです。奥さんは、主人が愛したテンポイント

の関係でこんな展示会をしてもらえるのは大変うれしいと申されました。それが私が参加し

た最初の企画展でした。

 

 久保さんは来るもの拒まぬという人でした。夕方からビールをいつも飲んでいて、競馬の

話を熱っぽくされました。「このギャラリーを使って何か面白いことをしましょうよ」「俺の写

真を使っていいから何かやってくださいよ。ただし、やるからには取材など自費でやっても

らいますけど」そんな感じで多くの人に声掛けをされました。彼は生き様という言葉を何度

も使いました。

 レベルがどうであれ、人生で自分の好きなことをやれるかやれないかだとも言いました。

定年後自分のライフワークである馬・競馬にどう決着をつけようかと考えていた私は、この

時やってみようと思ったのです。そして翌年から年1~2回のペースで企画展を始めました。

それらの内容はまた別の機会に譲りますが、競馬文化の一番端っこに連なったと一応の

満足ができた10年間でもありました。

 

 ドバイが中止になっちゃいました。20頭も遠征してこれですから今後のスケジュール等大

変なことですが、国内で競馬が行われていることは素直にうれしいと言わざるをえません。

早く収束してくれることを祈るばかりです。