物価高による庶民の生活は苦しさを増しています。競馬にそれが現れるのは半年くらいの差があります。今年になってからのGⅠレースの売り上げが芳しくないのです。前半戦の平地GⅠ12レースの内、前年比プラスだったのは4レースのみ。フェブラリーS、高松宮記念、NHKマイルC、ダービーがそうです。後の8レースは前年比マイナスです。全体はまだ分かりませんが、少しづつ落ち込みが始まったのではという気配がしています。たとえ、少々の落ち込みがあったとしても、今のファンの支持は揺るがないように思えます。サラブレッドが描いてきた時代と共に生きてきた私たちの中に、夢とか希望があのファンファーレと共に甦って来るのです。まあ、先日のセレクトセールを見れば当分は大丈夫といった盛況でしたが…。

 

 さて、前半戦回顧の2は、種牡馬たちの成績です。長く続いたディープインパクトとキングカメハメハの2強の時代も後継者たちの時代へと移ってきました。宝塚記念終了時のランキングでは、1位はディープ系の旗頭であるキズナ、2位はキンカメ系の優等生ロードカナロア、3位は大レースに強いシンボリクリスエスの代表馬エピファネイアです。3頭が他馬を離し3強状態です。産駒が20億以上稼いでいるのがこの3頭です。キズナとロードカナロアは勝利数を争い、キズナとエピファネイアは重賞勝利数を競っています。勝利数ではキズナの半分くらいのエピファネイアですが、GⅠ勝利数は4勝でトップです。ダービー、宝塚記念、桜花賞などのビッグタイトルをものにしています。

 

 全体としては、キンカメ系が優勢でベスト10には、ロードカナロア、ドゥラメンテ、ルーラーシップ、リオンディーズの4頭が入っています。さらに今年の新種牡馬の本命とも目されるサートゥルナーリアも父はロードカナロアですから前途洋々というわけです。今年やっと競馬の殿堂入りを果たしたキンカメに春がやってきた感じです。長らくディープの2位に甘んじてきたキンカメにとって息子たちによって逆転のチャンスが来たというわけです。ディープにとっても、来年デビューのコントレイルが控えていますし、SS系という枠で見れば、ディープの兄であるキタサンブラックを忘れてはいけません。すでに世界チャンピオンのイクイノックスを出して、その効果か今年のセレクトセールでもキタサンの子供は5億を超える1歳馬が出ています。このように兄弟でキンカメ勢と対決する気配です。日本の競馬を盛り上げた2頭の系統は、まだまだ繫栄していくでしょう。

 

*いつもご覧になっていただきありがとうございます。事情があって9月までお休み   します。お互い酷暑を乗り切っていきましょう。