売れる音楽を作るということは作りたい音楽を作れなくなるのか | ☆青空 Interceptor☆

売れる音楽を作るということは作りたい音楽を作れなくなるのか

 

 

 

 

このツイート見て改めて色々考えている。

売れる音楽を作るということは、作りたい音楽を作れないことかどうか
いや、実際作りたい音楽を作ってそれが売れるのであればそれに越したことはない
音楽を作ることを商売にしたのであれば、売れなければいけないわけで

音楽にも波があって、それはとても実感してる
競合他者が増えたというのもあるし、実際の売り方や営業、パフォーマンス含め、
音楽という商売が音楽だけでなくなってるのも感じる

 

実際TKブームが宇多田とモー娘。で終端(と言われているが)を迎え、
TKの音楽はそこからガチガチのプログレやトランスへと走った
これが作りたかった音楽かどうかはさておき、確実に時代を2手、3手先に行きすぎて
売り上げという結果だけ見たら惨敗もいいところである
これがあと数年後だったら・・・なんて思うこともあるし、
僕はTKの作る音楽は初期~後期まで全部好きだ。
むしろ後期の方が好きな楽曲も多いかもしれない

Many Classic Moments
https://www.youtube.com/watch?v=APcOZvx82B0
DON'T LOOK BACK
http://www.nicovideo.jp/watch/sm15554928
Try This Shoot
https://www.youtube.com/watch?v=qZYZUFpYm58

 

 

売れるということは仕事も増えるということで、
某プロデューサーは月間納期楽曲が約280曲なんて言っている
売れるということはそういうことなのかもしれないなとも思った

やりたいことができない・・・というよりも、
売れるものを作らなければいけないし、それは会社の利益にならなければいけない
そのうえで、数もこなさなければいけなくなったときに、
それは作りたいものを作れているのであろうか・・・
売れてるアーティストに提供すれば売れる
でも本当は違う人に歌わせたい曲、作ってる側からすればこっちに歌わせたい曲
なんてもの、たぶんいくらでもあるんだと思う。


なんでこんなこと考えてるかというと、
僕の中で信念というか、常に置いてあるものがあって、
自分の好きなも=すべてが良いものとは考えない
つまるところ、Aというアーティストが出す曲は全部良い
みたいにファン同士で持ち上げ続けるんじゃなくて、
本当に好きだからこそ、この曲はここが嫌だ、ここが好きっていう話ができると思うし、
そういう話をしたいと個人的には思ったりしてる

 

そう思ったときに、某アーティスト・・・ってもうバレてると思うけど、
顕著に感じられるCDが2枚あって、


「こういう感じで作ったら結果的に売れ筋の楽曲に寄ったものに近づいた曲」

「あからさまに売れている、ブームになっている曲に寄せたと思われる曲」


この2曲、僕には全く持ってハマらなかったので、そう見えてるだけかもしれないけど
後者に関しては、アニメショートPVの時点でそう思ったから、そう思った人は多いような気もする。
それを良しとするかどうかだけども

ブームにせよなんにせよ、それを自身で落とし込んで、自身なりに調理して出せるのであれば
それは「らしさ」かもしれないが、作りたいものとイコールなのかどうかという話


話変わってこれまた某サウンドチームの話。
もう僕がサウンドチームって書いてる時点で某でも何でもないんだが

PCゲームに音楽の付加価値をつけるという、業界的に伝説になっているサウンドチーム
書いてしまうとI'veなんだが

 

 

 

 

ここで冨田さんも語ってくれているように、冨田さん自身も前からI'veを見続けてくれた方で、
それこそ一般音楽雑誌のコラムにI'veのCDを2ページにもわたってレビューしてくれていたほどに
しかも全く一般受けしなかったクラブアレンジCDをw

もうこの伝説を知らないという方もたくさんいると思うので、
少しだけI'veの奇跡と功績を書かせてほしい


前述したようにPCゲームに主題歌とともに音楽レーベルという付加価値を付けた
8800円するエロゲを、それについてくる主題歌目当てで購入するという、
ゲーム内の作曲というところから、もう1段階上へと押し上げ、
それはもう今では当たり前になっている。

 

PCゲームはもちろんゲームなので、流通もゲームであるがゆえに、
I'veがいかに良い曲を作ってもCDを売る流通経路がないし、
ゲーム売り場にCDなんて置く場所も客もいないから販売することができなかった現状を
I'veという存在が、I'veを売るためのCD流通の会社を作ってしまい、営業により売り場まで作ってっしまった
I'veを売るためだけに(自社ではない)流通会社ができてしまったことにより、
他のアーティストもCDを流通させることができる
I'veのインディーズCDが金曜日に販売されるのは、流通がPCゲーム流通故であったりする


今では当たり前の複数人集まったサウンドチームの元祖であり、
fripSideやElements Gardenにも影響を与えた。
サウンドクリエイターとアーティストが所属したサウンドチームで
作詞・作曲・編曲・レコーディング・トラックダウン・納品
までをすべて自社で納めてしまうサウンドチームというのは
今現在でもかなり少ない稀な存在である


業界初の武道館LIVEも開催した
当時、アニゲ業界で武道館LIVEを成功させていたのは
椎名へきると水樹奈々で、どちらもSMEとキングという超大手メジャーレーベルで
今でこそ、ベジータ風にいうのであれば武道館LIVEのバーゲンセール状態だが、
その当時、武道館でLIVEをするというのはとんでもないことだった。
そんななかI'veとして武道館LIVEをしたというのは奇跡であり、
そのチケットも秋葉原では3日前から購入者の待機列ができたほど・・・

 

そんな武道館LIVEまでやった人たちだが、
一切顔を出していないどころか、公式ホームページ・・・はあったにはあったが、
全く持って情報が一切乗ってない謎のホームページのみ、
すべて某巨大掲示板の口コミで広がって、ファンがファンサイトを作成し、
それが武道館まで来たということ
どんな人が歌ってるか、どんな人が曲を作っているのか
そんな情報一切なしに、純粋に「曲」だけの勝負でここまで来た
ちなみにそのI'veは北海道在住で、今でも北海道で音楽を作っている


PCゲームというのは尺がない、自由な枠であるのに対し、
アニメというのは90秒(実質89秒)という決められた尺があり、
そこで曲をどう展開するかが売れるコツでもあり、見せ所でもある
そんな中、I'veの楽曲はどうかというと・・・そもそもイントロ1分越えが当たり前
アニメにフィットしにくい楽曲という中でも、数々のアニメ楽曲を作ってきた

 

灼眼のシャナ、とある魔術の禁書目録、ハヤテのごとく!、BLACKLAGOON、ひぐらしのなく頃に、マリア様が見てる・・・

KOTOKO、川田まみ、MELL、島みやえい子、IKU、詩月カオリ
黒崎真音、南條愛乃、やなぎなぎ、Ray・・・(楽曲提供)

 

絶対に耳にしたことがある良曲がI'veだったという話は本当によくある


そんな彼らはメジャーデビューをするものの・・・
変わらずPCゲームの楽曲を作り、今でも作り続けている
それは、〇億円という借金があった中、PCゲーム業界がI'veを拾ってくれて、
アルバム2枚の売り上げでその〇億という借金を払いきったという伝説もあり、
PCゲームの業界を離れることはないと断言しているからである
楽曲提供はあれど、北海道在住の自前のアーティストも含め
今でも様々な楽曲を作り続けている


話はそれたのですが、
I'veはメジャーデビューをしている
特定のアーティストだけではあるが、全盛期は所属アーティスト全員がメジャーレーベルでCDを出していたほどに
それは、メジャー・・・いわゆる会社を通して販売するわけで、当然会社の利益になる必要性がある
そんな中でもI'veはPCゲームの楽曲を作り続けていた

 

それは普通に考えてすごいことで、
メジャーデビューしていながら、メジャーの会社の一切の利益にならない、
もっと言うと、自社の利益を後回しや、蹴ったとしてでも他の活動をOKしてくれるということ
売れるために外乱(他のプロデュース)を持ち込ませなかったこと
というのは、今考えてもNBC(当時のジェネオン)はすごかったと思うし、助かったとも思ったりする

 

もちろんというか、当たり前の話だが、
世にフィットしない曲を作り続けているということは、売り上げもいまいちなのはある
LIVEだってあまりできないし、タイアップだって少ない
それがとても悔しいと思うことだってあるし、もどかしくもある。
それでも・・・今でもこの形を保ってくれているということに感謝をしなければいけない気もする


当然昔はたくさんいたファンも減ってたし、それこそ前述した大手ファンサイトを作ってた人すら
今や離れてしまっている。
昔は情報に対して受けて・・つまり発することはなく、大手ファンサイトから情報を受けて
自分でストップしてしまっていたわけで、それがつい最近まで続いていた
その発する人がいなくなってしまった今、情報を発する人、口コミで勧める人も減った中、
それを少しでも発する側になる必要というのもあるような気がする。

 

外を見た時に中のくやしさも見えてくると同時に、
これでも良かったかもしれないと、そう思うこともある
それでもやはりいい音楽は売れてほしいし知ってほしいと思うからこそ
発する方もなるべく伝えられるようになりたいなと思ったり

 

文章長くなったけど1個だけ宣伝

 

2018年の1月1日にI'veのBOXが発売される
I've C-VOX 2000-2014という11枚組のBOXである

 

 

I’ve C-VOX 2000-2014 I’ve C-VOX 2000-2014
15,120円
Amazon

 

 

価格は14,000円とちょっと高いように感じるかもしれないが、
収録曲は全121曲で、1曲あたり112円と考えれば破格である

 

これに収録されるのは、I'veが15年の間に参加してきた
コミックマーケットで販売された一般流通されていないCDすべてを
リマスタリングして、かつ新規楽曲4曲とレア音源2曲を追加してBOX化したもの

コミケで販売されたCDは基本的にノンタイアップのものばかりなので、
I'veが作りたい楽曲を作りたいように作ったCDばかり
もしよろしければ、そんなサウンドクリエイターたちが作り出した音楽を
手に取って聞いてほしい・・・

 

 

 

一部収録楽曲