「アドラー 人生を生き抜く心理学」岸見 一郎

これは「アドラー心理学」の入門書です。たまたま出会ったのですが、このアドラー心理学というのは最近わりと流行っているようですね。
入門書なので、心理学と言っても特に難しい内容でもなく読みやすかったです。
それに、この内容はとても面白く、私にとっては新しい考え方がたくさんありました。注目されるだけのことはありますね。
アドラー心理学の特徴のひとつは、「すべての悩みは対人関係の悩みである」として、フロイトのような原因論とは反対の「目的論」という立場をとっているところです。
たとえば、「子どものころに虐待を受けたから、社会でうまくやっていけない」と考えるのがフロイト的な考え方です。
それに対し、アドラーによる目的論では「社会に出て他人と関係を築きたくないから、子どものころに虐待を受けた記憶を持ち出す」と考えるわけです。
アドラーによれば、人は過去の「原因」によって動かされるのではなく、いまの「目的」に沿って生きていることになるんです。
トラウマを否定するアドラーは、人生、つまり生き方はいつでも選択可能なものであり、過去にどんなつらいことがあったとしても、これからどう生きるかには関係がない、と言っています。
人は変われないのではなく、ただ「変わらない」という決心を下しているに過ぎない。いま幸せを実感できない人に足りないのは、能力でもお金でもない。変わること=幸せになることに伴う「勇気」が足りない、というんです。
こういう考え方には初めて出会いました。この考え方にはかなり衝撃を受けたのですが、すんなりと受け入れられましたよ。
また、アドラーはドイツに住んでいたユダヤ人で、ドイツ語しか話せなかったようなのですが、60代近くになってアメリカで講演するために英語を学んでいるんです。
その点にも、とても感銘を受けました。やっぱり、やる気があれば年齢なんて関係ないんだなあと思います。
他にもとても興味深い考え方がたくさんあって、引き込まれました。人生訓のようなものでもあり、すごく面白いと思います。
他にもいろいろな本が出ているんですね。例えばベストセラーになった「嫌われる勇気」というのも、このアドラー心理学を扱ったもの。こちらはちょっと読んだことがなかったのですが、いずれ読んでみたいと思います。
ご興味のある方は、ぜひアドラー心理学の本を手に取ってみてはいかがでしょうか。きっと、新しい発見があると思います。