タロットの基本3 ~大アルカナ~
タロットカードは「大アルカナ」と呼ばれる22枚と、「小アルカナ」と呼ばれる56枚のカード、計78枚で一揃いとなっています。今回はそのうちの大アルカナについて触れていきます。大アルカナは、人間の本質的な面である意識活動を映す鏡のようなものです。それぞれのカードが人の意識の普遍的な状態を表すので、具体的な出来事を示すよりも、意識の中での変化や出来事を表すことが多いと考えられます。大アルカナはそれぞれに付されている番号の順番や数の方式に従って、一連の流れがあると考えることができます。分割方法としてはそれぞれのタロティストやタロット解説者によってさまざまなものがあります。例えば…◆大アルカナ全22枚をシンプルに2つにわける方法(「0.愚者」~「10.運命の輪」/「11.正義(マルセイユ版では力)」~「21.世界」)この分け方の考え方としては、伊泉龍一さんの『タロット大全 歴史から図像まで』で紹介されたアメリカのアルフレッド・ダグラスのものがわかりやすいです。ダグラスによるとこの分け方は、“ユング心理学のいう「個性化」のプロセス”が念頭に置かれています。「0.愚者」~「10.運命の輪」までの前半では“人間が自分の外の世界に関心を持ち、意識の発達と自我の安定に向かう段階”.。「11.正義」~「21.世界」は“前半で成長を遂げた自我が、今度は「内なる自己」との結びつきを確立するために、自らの心の深みに直面”する段階を表現していると考えられます。(“”内は『タロット大全 歴史から図像まで』伊泉龍一/紀伊國屋書店/2004.8/p37,38より引用)0.愚者、10.運命の輪11.正義、21.世界◆「0.愚者」をのぞいて、残りの21枚を3つに分ける方法(「1.魔術師」~「7.戦車」/「8.力(マルセイユ版では正義)」~「14.節制」/「15.悪魔」~「21.世界」)1.魔術師、7.戦車8.力、14.節制15.悪魔、21.世界(images:Wikimedia Commons)この分け方の考え方としても、伊泉龍一さんの『タロット大全 歴史から図像まで』から引用します。その考え方のひとつはレイチェル・ポラックのもので、“ポラックが分けたカードの三つのグループとは、それぞれ「三つの異なった経験の領域を扱うもの」”だということです。その「三つの異なった経験の領域」とは、“「意識(consciousness)」、「無意識(subconscious)」、「超意識(superconscious)」”で、“彼女の説明によれば、最初の「意識」のラインは、社会の中での「外への関心」を示し、次の「無意識」のラインでは、「自分が本当は誰であるのかを見つけるために内なるもの」へと向かい、最後の「超意識」のラインでは「スピリチュアルな気づきの発達と元型的なエネルギーの解放」へと向かう”と表現されています。(“”内は『タロット大全 歴史から図像まで』伊泉龍一/p41より引用)(以下は2022年4月6日追記)本記事を書いた2016年の12月にはホドロフスキーの『タロットの宇宙』が出版され、その中でホドロフスキーは「0.愚者」と「21.世界」をのぞいた20枚を、「1.魔術師」~「10.運命の輪」と「11.力(ホドロフスキーはマルセイユ版タロットを使用)」~「20.太陽」の2つにわけて考察しています。他にも松村潔さんが2020年7月に出した『タロット哲学』の中では、7の数のロゴスに沿ってタロットを分割し、スタピ用のタロットのもちい方を説明するなど、新しいものがみられるようになっています。わたし自身は松村さんの考え方や方法が好みで、最近では日常・現実的な占いには大アルカナを使わなくなりました。いずれにせよ大アルカナを考えるときには、大アルカナ全体がどのような流れを描いているのかを意識すると統合的なカードの使い方ができるのではないかと思います。一連の流れをどのように見るかによってカードそれぞれの意味合いは変化するので、今の自分にしっくりいく流れの解釈を見つけるのがおすすめです。特に何枚で分割するのかというのは重要で、10枚で分けるのであれば10の数字の意味(ロゴス)を、7枚であれば7の数字の意味を意識する必要がありそうです。)(本記事はアメブロ以外で書いていたものを再掲載しています)