荒井聡国家戦略担当相の政治団体「荒井さとし政治活動後援会」(09年9月解散)の事務所費を巡る問題で、民主党側が公表した同後援会の事務所費支出一覧(07年分)に、本来は「政治活動費」に計上すべき研修会費用や出張費が交じっていることが分かった。民主党側は支出に伴う領収書を公表していない上、そもそも荒井氏が知人の個人宅に後援会事務所を置いた理由を明らかにしておらず、改めて説明責任が問われそうだ。

 この問題で民主党の細野豪志幹事長代理が公表した同後援会の07年分事務所費支出一覧には、計159件、計約177万円の支出が記載され、多くは切手やコピー代など「事務所の維持に必要な経費」(事務所費)にあてはまっていた。しかし8月29日付で「国のかたち 夏期研修会」として10万円余の支出があった。こうした研修会費用は、経費分類を巡る総務省の「記載要領」によると、政治活動費の一部である組織活動費に含めるべきだとされている。

 また4月19日付で「ウイークリーマンション賃料」として28万円余が計上され、細野氏は「選挙応援の出張代」と説明。こうした出張費も組織活動費に含めるべきだとされるうえ、同後援会も翌08年の報告書には、同様の支出を組織活動費として計上していた。他に2月26日付で製本業者に支出した20万円余も、ビラや機関誌としての支出であれば、政治活動費に含めるべきだとされる。

 政治資金収支報告書における支出は事務所費や人件費、光熱費などの「経常経費」と、組織活動費や選挙関係費などの「政治活動費」に大別され、総務省は事務所費を「家賃、保険料、税金、電話代、切手代など事務所の維持に必要とされるもの」と定義している。ただし、政治資金規正法で明確に定められていないため「最終的には政治団体の判断」(総務省)という。

 自民党の赤城徳彦元農相らの事務所費問題が発覚した07年、当時民主党代表代行だった菅直人首相は「領収書を添えて説明すべきで、できないなら(農相を)辞任すべきだ」と追及していた。【政治資金問題取材班】

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