芋づる式読書
前回に引き続き、「根本」がテーマ。
大学で先生から教わった、読書のやり方。
先ず、1冊本を読む。
その本が引用している本を、読む。
これを続けていると、必ず本源を突き止められる。
名付けて「芋づる式読書」。
本源を突き止めると、どんな利点があるか。
①読む冊数を減らせる
②歴史上の淘汰に耐え残った価値に触れられる
③時間の使い方
①について。
毎月新刊書は数千、数万にのぼる。
全部読むのは到底ムリ。
だからこそ、本当に読むべき本だけに絞る必要がある。
②について。
突き当たった本は「古典」に分類される場合が多い。
昨日出版された本が、古典にはなりにくい。
何十年、何百年、はたまた何千年もの永い時間、
風雪にさらされ、生き残ってきた本。それが古典なのだ。
齋藤孝氏はこの事を、「歴史は上手さの判定装置」と言っている。
過去数々、今日のように新刊が出版されてきた。
そのほとんど淘汰された。
それに対し、営々時代を、世代を超えて、
人々に価値有りと厳しく判定されて勝ち抜いてきたのだ。
③について。
だったら、時間の選別に耐え抜いてきた古典を先に読むべき。
新刊を読むより順序を先にする方が、時間の使い方として合理的ではなかろうか。
以上をまとめると、
現代、新刊がもの凄く多いが、その本源の数は限られてくる。
その本源を押さえることで、多くが確実になるのだ。
周りや時代に翻弄されず、ブレない価値を吸収し、
自分にブレない価値基準を作ろう。
最後に、福沢諭吉『文明論之概略』より。
「すべて事物を詮索するには、枝末を払いてその本源に遡り、止まるところの本位を求めざるべからず。かくの如くすれば、議論の箇条は次第に減じて、その本位は益々確実になるべし。」