一段上を目指せ。「本物」を目指せ。 -2102ページ目

成熟には10年じゃ足らないか?

「(日本の現状について、Jリーグの)10年ほどの短い期間で、伝統ある欧州のレベルに持っていくのは無理


ジーコ監督がドイツ・ヴェルト紙に語った。


現在の日本の国民的スポーツは野球。これからサッカーに移行するだろうが、もう少し時間がかかると言う。



イングランドはもうかれこれ120年くらい、フットボールがラグビーとサッカーに分離独立してからの歴史がある。


ヨーロッパ各国、やはり20世紀前半にもう競技が盛んになっている。


日本は、本格化して10年。


その絶対的蓄積の差が、今回の結果の根底にあるようだ。





その「絶対的蓄積」。



近年の学習観は、


情報化社会の進展で、知識がすぐ陳腐化する。だから暗記する事に意味は無くなり、代わりに情報検索技術を磨く教育に切り替えるべきだ、そんな論調。



しかし。



教育において目指されるべきなのは、検索してすぐ分かる情報じゃなく、複雑な情報をも理解しうる基盤の部分。



「本(もと)」と「末(すえ)」、つまり根本と枝葉の関係だ。



この「本」の部分の絶対的蓄積量が、その後の人生の判断力を規定していくと思う。



サッカーの話も、永い時間を懸け、伝統を蓄積して、「本」を強化して欲しい。



渋谷ではたらく社長の下ではたらく社長のblog で紹介されたスタジオジブリ・鈴木プロデューサーの話に



日本人は部分から全体にいき、西洋人は全体から部分にくる」



確かに最初に明確なビジョンが見えていないと、目標意識がぼやける。


しかしカチコチに全体像に執着せずに、細部に神を宿らせる事で、それがピンボールとなり世界全体が見えるんじゃないか。



全体が部分を規定するのは当然として、逆に部分を極めて全体を規定させるのもたまには新鮮ではないだろうか。



今日の結論、一言で。


サッカーにおける日本の位置付けは、この「部分を築く段階」にある。