八重子のハミング
(2016年、日本映画、112分)
監督・脚本:佐々部清
原作:陽信孝
プロデューサー:佐々部清、野村展代、西村祐一
撮影:早坂伸
美術:若松孝市
録音・整音:臼井勝
照明:田島慎
装飾:柳澤武
編集:川瀬功
音楽:穴見めぐみ
音楽プロデューサー:原田泰男
エンディング曲・劇中曲:谷村新司
配給:アークエンタテインメント
出演:升毅、高橋洋子、文音、中村優一、安倍萌生、辻伊吹、二宮慶多、上月佐知子、月影瞳、朝加真由美、井上順、梅沢富美男 ほか
【映画 予告編】
ストーリー Stroy
山口県のとあるホール。「やさしさの心って何?」と題された講演。
妻・八重子の介護を通して経験したこと、感じたことを語る白髪の老人、石崎誠吾。
「妻を介護したのは12年間です。
その12年間は、ただただ妻が記憶をなくしていく時間やからちょっと辛かったですいねぇ。
でもある時、こう思うたんです。妻は時間を掛けてゆっくりと僕に お別れをしよるんやと。
やったら僕も、妻が記憶を無くしていくことを、しっかりと僕の思い出にしようかと…。」
誠吾の口から、在りし日の妻・八重子との思い出が語られる。
教員時代に巡り会い結婚した頃のこと、八重子の好きだった歌のこと、アルツハイマーを発症してからのこと…。
かつて音楽の教師だった八重子は、徐々に記憶を無くしつつも、
大好きな歌を口ずさめば、笑顔を取り戻すことも。
家族の協力もあり、夫婦の思い出をしっかりと力強く歩 んでいく誠吾。
山口県・萩市を舞台に描く、夫婦の純愛と家族の愛情にあふれた12年の物語。
原作 Original
四度のガン手術から生還した夫がアルツハイマー病の妻に贈る、
三十一文字のラブレター
紙おむつ 上げ下げをする 度ごとに 妻は怒りで われをたたけり
小尿を 流しし床を 拭くわれの 後ろで歌う 妻に涙す
幼な子に かえりし妻の まなざしは 想いで連れて 我にそそげり
四度のがん手術から生還した夫がアルツハイマーの妻に贈る、三十一文字のラブレター四度のガン手術から生還した夫が、
若年性アルツハイマー病の妻を介護した4000日の記録。
介護をする家族の苦悩は計り知れないものがあるが、
著者の陽信孝(みなみ のぶたか)氏は互いに迫りくる死の影を見据えつつ、
次第に童女となっていく妻との毎日を力強く歩んでいく。
闘病・介護・夫婦愛を考え、著者が詠んだ短歌とともに綴る、
究極の夫婦の純愛物語。
(小学館文庫 著:陽信孝)
解説: 「陽はまた昇る」「半落ち」の佐々部清監督が、4度のがん手術を受けた夫と、若年性アルツハイマー病を発症した妻の絆を、実話をもとに描く。胃がんを発病した夫・誠吾を支え続ける妻の八重子に若年性アルツハイマー病の疑いがあることが明らかになった。誠吾は4度のがん手術から生還することができたが、八重子の病状は進行し、徐々に記憶をなくしていく。介護に苦闘しながらも八重子との時間を愛おしむ家族たちと、妻に寄り添い続ける誠吾の12年にもわたる日々が描かれる。佐々部監督の故郷である山口県で撮影され、原作は山口県萩市在住の陽信孝が自身の体験をつづった同名著書。夫・誠吾役を升毅、妻・八重子役を高橋洋子がそれぞれ演じる。(映画.com)
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八重子のハミング (小学館文庫)
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