ピアノの発表会では、ステージに置かれるピアノは一台のみです
複数の演奏家が同じステージで演奏する場合でも、１回に使用されるピアノは２～３台です。
バイオリンなどは、何十人というアンサンブルを組むケースも少なくありませんが、50台、100台のピアノを一斉にひくという光景は、まず見かけません。
大きくて重いピアノを何十台もステージに運ぶのは、現実的とも思えませんが、仮に100台のピアノを1度に弾いたら、どれほどの大音量になるのでしょうか
結論からいうと、ピアノが100台になっても、聞こえる音が100倍になるわけではありません
人間の耳が聞き取れる音量には制限があるからです。
ここで、耳から入った音が、脳に伝わる仕組みを説明しておきましょう。
まず、耳から入った音は、空気振動として鼓膜へ伝わり、鼓膜の振動から骨の振動となって、耳の奥の蝸牛へ入り、さらに電気信号に形を変えます。
そこから、聴神経を伝わって、脳に「音の刺激」として伝えられます。
しかし、聴神経は、電気信号を伝えやすい周波数の領域が決まっています。
その領域を超えると、脳に音としての刺激が伝わらなくなってしまうのです。
したがって、実際の音が何百倍になろうとも、一定以下の音量しか聞こえないのです