最近、ドラマの「信長のシェフ」にはまっていたりします。
現代の料理人が、戦国時代にタイムスリップして活躍するというお話で、当時の食材で現代の料理を作れるか、とか、当時の人々が現代の料理をどう感じるか、という観点が面白く、さらに信長が現代料理を戦略的に活用していくという要素が加わって、好奇心を刺激してくれることこの上なしです。
「仁」の二番煎じかとも思ったのですが、ドラマ的には「仁」ほどの重厚感はなく、時代考証もいい加減なので突っ込みどころも満載なのですが、油断して見ていると心憎い演出があって、そのギャップがやみつきになってしまいます。
タイムスリップものと言えば、「戦国自衛隊」の世代になるのですが、「仁」や「信長のシェフ」を見ていると、歴史や文化への理解の成熟度が感じられて、非常に面白いです。
大河ドラマや時代劇が全盛の、歴史ものと言えば戦と立身出世がメインだった時代に比べて、専門色の強い「医術」や「食文化」を娯楽として成立させられるというところに、日本人の文化的な懐の深さを感じてしまいます。
興味深いのは、「仁」も「信長のシェフ」も漫画が原作だというところで、日本のコミック文化のすそ野の広がりを感じるとともに、映画界やドラマ界の奮起も期待したいと思いました。
「信長のシェフ」に話を戻すと、料理によってルイス・フロイスの本音を聞き出したり、敵将を降らせたり、家康の離反を防いだりと、信長の料理の活かし方が面白かったりします。
実際の信長が。茶の湯の文化に新たな価値観を持たせたり、料理にもこだわったりする文化人としての側面もある事を知っていると、そう無茶な話でもなさそうに思えてしまいます。
また、当時の食材からバターや油や醤油の代用品を作り出すといった知識も興味深く、知的な娯楽としても楽しめると思います。
個人的には、家康役のカンニングの竹山さんの役者ぶりを初めて見れたので、ちょっと得した気分になりました。