10月13日公示、20日投開票の、越前市市長選挙が始まりました。
候補者は、現職の奈良俊之氏と、新人の大久保恵子氏。
争点は、新市庁舎の移転先です。
そもそも越前市は、8年前に旧武生市と今立町が合併してできたのですが、その際、市庁舎をどこに移転するかで合併協定ができていたようです。
ところが9月議会で奈良俊之市長が突然、合併協定を破棄して現庁舎跡への移転案を提出し、議会は紛糾したということで、越前市民の反応が興味深いところです。
新庁舎の位置は越前市民の判断だと思うのですが、奈良俊之氏が当選して現庁舎跡に決まるようなら、合併協定の予定地に福井県庁を移転したらどうかと思っていたりします。
福井県庁は現在の福井城跡からの移転が決まっており、どうせ移転するなら「福井県越前市」への県庁所在地によって、全国的な知名度の向上を図ったらよい気がします。
ちょうど北陸新幹線開通を控えており、観光客誘致という観点に立てば、「越前」という名称の持つ響きは、ひとつのイメージブランドとして戦略的に活用できそうです。
北陸新幹線の南越駅(仮称)周辺への移転ともなれば、名称も北陸新幹線越前駅にして周辺開発を一気にやってしまうのも手のような気がします。
とはいえ奈良氏がそこまで考えているとも思えず、そうなってくると政治手法が気になるところです。
特に10月の市長選挙の直前になって合併協定を破棄する手法は、正直いかがなものかと思います。
合併協定を順守すべきという考えの人にとって、対抗馬を擁立するには準備不足は否めなかったように思います。
もちろん選挙戦略だと言えばそれまでなのですが、有権者に対して十分な議論と考える期間とを提供するという点では評価できません。
そのあたりを突いているのが大久保恵子氏であり、初の女性市長ともなればそれなりにインパクトはありそうです。
越前市への選挙権があるわけでもないのであくまで部外者の視点なのですが、なかなかおもしろそうな市長選挙になりそうなのでした。