2月10日、令和2年国勢調査の小地域集計が発表されました。

 昨年「【令和2年国勢調査】新潟県内の最新DID」(以下、前記事)にて最新の人口集中地区DID)を記事にしましたが、今回新たに準人口集中地区が確定したので早速まとめてみます。

 

 

1.最新の準人口集中地区

 

 令和2年国勢調査における新潟県内の準人口集中地区は以下の6地区となりました。

 

  新潟市秋葉区51・・・旧小須戸町・・・3218人 ⇐ 前回3573

  新潟市西蒲区51・・・旧西川町・・・・・4377人 ⇐ 前回5059人(DID)

  長岡市51・・・・・・・・・旧栃尾市・・・・・4527人 ⇐ 前回5597人(DID)

  長岡市52・・・・・・・・・旧越路町・・・・・3133人 ⇐ 前回3240

  魚沼市51・・・・・・・・・旧小出町・・・・・4159人 ⇐ 前回4566

  胎内市51・・・・・・・・・旧中条町・・・・・3429人 ⇐ 前回3585

 

 前記事で予想した通り、前回の平成27年国勢調査で設定されていた西蒲区西川町長岡市栃尾市のDIDについては、準人口集中地区に降格していました。

 他の地区についても全て前回調査から人口が減少し、長岡市越路町秋葉区小須戸町は辛うじて存続している状態です。

 魚沼市小出町(厳密には旧湯之谷村の一部も含まれる)や胎内市中条町といったそれぞれの市の中心市街地も、残念ながら衰退の一途を辿っています。

 

 

2.旧青海町のDID完全消滅

 

 最も衝撃的だったのは、前回調査で西川や栃尾より多くの人口を擁した糸魚川市青海町のDID(5665人)が、今回調査では準人口集中地区すら形成できなかったことです。

 姫川の対岸にある糸魚川市中心部のDIDに併呑されたわけでもなく、突然跡形もなく消え失せました。

 これは、DIDが準人口集中地区を経ずに次の国勢調査で消滅した県内初の事例です(他との統合による場合を除く)。

 考えられる理由としては、人口の急減に加え、DIDを構成していた市街地のうち青海地区と田海地区の間のくびれた部分が途切れ、各地区の人口が3000人未満となってしまったためではないかと推測します。

 

 

3.佐渡市のDID変遷

 

 そして、こちらはある程度予想がついていましたが、ついに佐渡市からDIDはおろか準人口集中地区さえも消滅してしまいました。

 前回調査で旧両津市に存在していた島内唯一の準人口集中地区(3576人)も、本土を凌ぐハイペースな人口減少により、今回は設定要件が満たせなかったようです。

 かつては両津と旧相川町にDID、旧佐和田町には準人口集中地区が形成された時期もあった佐渡ですが、今となっては見る影もなく、離島の過疎化が著しいことを物語っています。

 以下は佐渡島内の市町村にDID・準人口集中地区が設定された調査年です。

 

  両津市Ⅰ ⇒ 佐渡市51

   DID:昭和35年~平成12年

   準人口集中地区:平成17年~平成27年

 

  佐渡郡相川町Ⅰ ⇒ 佐渡郡相川町51

   DID:昭和35年~昭和40年

   準人口集中地区:昭和45年~平成2年

 

  佐渡郡佐和田町51

   準人口集中地区:昭和45年、昭和60年

 

 

4.過去に準人口集中地区が設定されていた町

 

 ここで、平成の大合併以前に準人口集中地区が設定された経験を持つ市町村の一覧を掲げます。

 なお、DID設定経験のある市町村は除きます。

 佐和田町についても、先ほど取り上げたため割愛します。

 

  東蒲原郡津川町 (昭和55年) 現阿賀町

  三島郡与板町 (昭和45年~平成12年) 現長岡市

  三島郡寺泊町 (昭和45年~昭和60年) 現長岡市

  中頸城郡柿崎町 (昭和45年~平成12年) 現上越市

  西頸城郡能生町 (昭和55年~昭和60年) 現糸魚川市

 

 郡都として栄えた津川と与板をはじめ、DIDを抱える都市から離れ独自に発展した陸海交通の要衝である寺泊、柿崎、能生。

 半世紀前から20年前の間には、地域を代表する町に準人口集中地区が存在していました。

 

 

5.DIDに昇格した地区

 

 DIDのみならず、準人口集中地区にも当然ながら人口減少の波が襲ってきています。

 今後も我が県の市街地には、DIDからの降格や準人口集中地区の消滅など、厳しい現実が待っていることでしょう。

 諸行無常、盛者必衰。

 将来を悲観したままこの記事を終えることは避けたいので、最後に前回調査の準人口集中地区から今回DIDに昇格した地区を紹介し、希望を抱いて脱稿したいと思います。

 

  新潟市江南区Ⅱ7260

   (前回)江南区51:4000人 + 江南区52:3255

 

  新潟市南区Ⅱ5523

   (前回)南区51:4858

 

 江南区Ⅱは曽野木地区、南区Ⅱは旧白根市の大通地区です。

 いずれも大きな住宅団地が造成された地区で、曽野木は既存の集落との融合、大通は団地の面積拡大により、今回の昇格に至りました。

 次回の令和7年国勢調査では、DIDの誕生や準人口集中地区の出現等、どんな新しい変化が見られるのでしょうか。

 今から楽しみです。

 

 以上。