金曜日、火災保険の更新があり保険の

担当者さんが家に来ていた。

主人と一緒に更新内容の説明を聞いた。

その後で他社の生命保険の見直しの話になり

主人は癌になってしまって…と話をした。

その後も主人は癌になってからの話を

冷静に担当者さんに話をしていた。


「自分が癌で良かったと思ってるねん。

嫁が癌になっていたら僕は嫁に何も

してあげられへんから。

僕、嫁の事大好きやから離れたく

ないけどな」とか


「いつ終わるか分からん命やから

もう好きな事しようと思って…」とか


「今まで娘と2人で遊びに行くとか

せーへんかったけど、次女がジェットスキー

やりたいって言ったから、限りのある命

やからこの際次女と一緒にジェットスキーの

免許取りに行って一緒にジェットスキーに

乗ろうと思って来月に娘と免許取りに行く

ねん」とか


主人は普通に話してたけど

私は堪らなくなって「暑い!暑い」って

言ってその場を離れた。

涙が溢れて止まらない。

声をあげそうになりトイレに逃げた。


癌告知されてから命の終わりを考えない日は

ないけど、主人の言葉に滅茶苦茶寂しくなった。主人の気持ちを考えたり色んな気持ちが

溢れ出しいっぱいいっぱいになった。


普段、主人は私に愛情表現をする事は

全くないし俺不器用やから…と

言って思いを口にする事も滅多にない。

なのにあの日は自分でも

僕、普段無口やねんで。こんなに

喋らんねんでって言いながら良く

喋っていた。なんでなんかな?


私は涙を拭いて席に戻った。

主人が「俺、お前に足向けて寝られ

へんもんな」と言って私を見た

また泣けてきた。泣きたくない!と

思って「足向けて寝られてる」って

笑って言うのが精一杯だった。

主人が私の頭をポンポンとしてくれたので

勝手に涙がポロポロ流れ落ちた。


担当者さんも泣いていた。

「良い夫婦で良い家族であるのが

良く分かるから、絶対に

ご主人に治ってもらいたいです!

絶対に!」と言ってくれた。


家族を壊したくない。

1人でも抜けたらだめな家族なのに。

大事なパパがいなくなったら

どうしたら良いん?

私もパパの事大好きだから離れたくないよ