2006年9月16日(土)3:00PM ジュゼッペ・ヴェルディ作曲の「ファルスタッフ」を東京文化会館大ホールで観て来ました。

ファルスタッフ

指揮:ズービン・メータ

演出:ルカ・ロンコーニ


ファルスタッフ:ジョルジョ・スリアン

フォード:マニュエル・ランツァ

フェントン:ダニール・シュトーダ

医師カイウス:カルロ・ボージ

バルドルフォ:ジャンルーカ・フローリス

ピストラ:ルイジ・ローニ

フォード夫人 ナンネッタ:バルバラ・フリットリ

ナンネッタ:ステファニア・ボンファデッリ

クイックリー夫人:エレナ・ジーリョ

ページ夫人 メグ:ラウラ・ポルヴェレッリ


フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団

フィレンツェ五月音楽祭合唱団


時に「ヴェルディの最高傑作」と記載されていることが多い「ファルスタッフ」だが、それはどうかと思う。

中期の「椿姫」「仮面舞踏会」「ドン・カルロ」あたりがいかにもヴェルディらしいという意味においては最高傑作群なのではないだろうか?


でもある意味、「最高傑作」というのは当たっている気がする。

年老いたヴェルディにこの作品を書かせたメモのはアリゴ・ボーイトである。

今まで蓄積された作曲技法を使いつつ、ロッシーニ並の「アンサンブルオペラ」を書き上げた老作曲家には大拍手である。



一番の目的はアリーチェ役のバルバラ・フリットリの声を聴くことだった。

彼女がブッセートのヴェルディ劇場でムーティ指揮のスカラ座でやはりアリーチェを演じているDVDが発売されているが、彼女の声質からいってもまさに当たり役である。

今回も最高のパフォーマンスを見せてくれた恋の矢


ステファニア・ボンファデッリも「椿姫」「清教徒」「夢遊病の女」「ルチア」等で主役をはれる大スターだが、一脇役(・・・といっても十分に魅力的な役である)を可憐に演じていた。

彼女の軽めの声質もナンネッタにはぴったりである。


難があったのはアルトにしては凄みに欠けるクイックリー夫人とリリックな歌声が求められるフェントンの声が野太い声だったことである。これはアンサンブルオペラの醍醐味を十分に知っている身としては残念としか言いようがない・・・ガーン


ジョルジョ・スリアンはルッジェーロ・ライモンディの裏キャストだったが、いやいやなかなか笑わせてくれました。


演出のルカ・ロンコーニはお気に入りの演出家。

川に落とされて震えながら3幕を迎えるガーター亭でファルスタッフはベッドに横になる。

すると間奏の間にベッドを除いた部分が切り離され、妖精の棲む森に舞台は転換する!!

さすがロンコーニ。このシークエンスは見事であるラブラブ!


イメージとしては川に落ちたファルスタッフが熱にうなされ、その夢の中で妖精にいじめられる悪夢を見ているというものなのであろう。

しかしよく考えたプランだチョキ


以前、やはりロンコーニの演出「チェネレントラ」で舞台転換の時に作業員が出てきてそのまま舞台をクレーンで宙吊りにするシーンやチェネレントラが魔女の力によって鳥に乗って空中を遊泳するシーンなどが印象によく残っている。

ルカ・ロンコーニという演出家の頭には無数のプランが浮かんでくるのだろう。

おそらく彼は観客をびっくりさせたいという「遊び心」を備えた方なのだろうなぁ~つくづく感心ロケット