指揮:クリスチャン・アルミンク
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
ヘロデ王:ウド・ホルドルフ
ヘロディアス:アニヤ・シリア
サロメ:アンナ・カタリーナ・ベーンケ
ヨカナーン:ユルゲン・リン
ナラボート:井ノ上了吏
「サロメ」は近年、上演機会が多い気がする。新国立劇場でエヴァーディングの演出を3度(!)も上演しているからだろうか?
このプロダクションは児玉宏指揮によるものを観たが怪我で急遽キャンセルした若杉弘の代打とは思えない立派な演奏で大喝采を浴びていた。
今回は昨年、音楽監督に就任し新日本フィルの株を大いに上げた若き(32歳)のマエストロ、クリスチャン・アルミンクが指揮を、またサロメの母ヘロディアス役を伝説のソプラノ、アニヤ・シリヤが歌うというので楽しみだった。
さすがに前日の「神々の黄昏」の観劇疲れは残っていたが、行った甲斐はあったというもの!!
シリヤはかつてバイロイトの女王だった。
自身が指揮をする作品にヴォルフガング・サヴァリシュがまだ21歳という若く美しいソプラノを連れて来たが、これがアニヤ・シリアだった。
R・ワーグナーの孫であり優れた演出家でもあったヴィーラント・ワーグナーは彼女をすこぶる気に入り「シリアのみが(「さまよえるオランダ人」の)ゼンダを表現しうる」と断言したという。ここでエーファ、ゼンダ、エリザベート、ヴェーヌスなど超ドラマチックな役柄を除いてはワーグナーのソプラノ役を次々と歌った。
シリアがヴィーラントの愛人であるというのも公然の事実で、ヴィーラントの死とともにバイロイトを去った。その後もクリュイタンスとロマンスがあったりして、今はクリストフ・フォン・ドホナーニ夫人である。
難役ルルなどでも高い評価を得た後、メゾソプラノに転じ怪演を披露しているという専らの噂だった。
ヘロディアスは元夫の兄弟であるヘロデと再婚をし、預言者ヨカナーンから不道徳者と烙印を押され、このヨカナーンは地下牢に幽閉されている。サロメは彼女の連れ子であり、ヘロデがサロメに性的な関心を寄せていることも十分に知っている。
サロメは牢の中のヨカナーンに異常なまでの関心を寄せ、「七つのヴェールの踊り」を所望するヘロデの要求と引き換えにヨカナーンの首を要求する。ヘロディアスはわが娘の常軌を逸した行動を止めることはなく、憎いヨカナーンの死を望んでいるためこの約束を叶えるようにサロメに加勢する(なんて母親!)。
「アルジェのイタリア女」のアグネス・バルツァもそうだったが世界の頂点を極めた人は例え全盛期を過ぎても十分にその当時の片鱗を垣間見ることができるよう。
バルツァが「イエヌーファ」の教会のおばさん役など名脇役として近年、高い評価を得るようになったように一流のワーグナー歌手だったシリアもヘロディアスというメゾソプラノの個性的な脇役で演奏会形式とは思えない優れた歌唱と演技を披露した。
カタリーナ・ベーンケもブリュンヒルデやトゥーランドットを歌えるほどのドラマチックな声の持ち主ではないらしいが、同作品のジークリンデ、そしてこのサロメ役で高い評価を得ている歌手のようである。容姿もドラマチックソプラノにありがちな巨体‥ではなく、スマートな美しい方だった。七つのヴェールの踊りのシーンは「ストリップ」ではなく踊りながら7つの仮面を次々につけ、これを放つという演出だった。
女性陣の充実ぶりに比べるとヘロデやヨカナーンの外国招聘の男声陣はいまひとつ。その点、日本人テノール井ノ上了吏(ナラボート)の甘い声が甘美な「サロメ」の音楽にはぴったりはまっていた気がする。
われわれの歌ったヴェルレクには不向きな声質だと思ったけど…。
気になるアルミンク指揮による新日本フィルだが、はっきり言ってオペラの演奏機会の少ないオケとは思えない高品質な演奏!
「七つのベール踊り」の音楽の官能的なことといったらこの上ない。この部分は特にR・シュトラウスのオーケストレーションが絶妙で聴き手もヘロデと同じく気分がどんどん高揚していき、煽情的にさせられる。しかしオケがダメだとまったく心がなびかないだろう。(私は比較的よい時期にあたっているらしくそういう経験はない。)
楽屋口から出てきたアルミンクはジーパンをはいた普通の青年だった。
「マエストロは次の予定がありますので…」とマネージャーさんに連れて行かれた。シリヤにはバイロイト音楽祭サバリシュ指揮の「タンホイザー」CDにサインを頂いた。すっかり婆ちゃんだった(*_*)。
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
ヘロデ王:ウド・ホルドルフ
ヘロディアス:アニヤ・シリア
サロメ:アンナ・カタリーナ・ベーンケ
ヨカナーン:ユルゲン・リン
ナラボート:井ノ上了吏
「サロメ」は近年、上演機会が多い気がする。新国立劇場でエヴァーディングの演出を3度(!)も上演しているからだろうか?
このプロダクションは児玉宏指揮によるものを観たが怪我で急遽キャンセルした若杉弘の代打とは思えない立派な演奏で大喝采を浴びていた。
今回は昨年、音楽監督に就任し新日本フィルの株を大いに上げた若き(32歳)のマエストロ、クリスチャン・アルミンクが指揮を、またサロメの母ヘロディアス役を伝説のソプラノ、アニヤ・シリヤが歌うというので楽しみだった。
さすがに前日の「神々の黄昏」の観劇疲れは残っていたが、行った甲斐はあったというもの!!
シリヤはかつてバイロイトの女王だった。
自身が指揮をする作品にヴォルフガング・サヴァリシュがまだ21歳という若く美しいソプラノを連れて来たが、これがアニヤ・シリアだった。
R・ワーグナーの孫であり優れた演出家でもあったヴィーラント・ワーグナーは彼女をすこぶる気に入り「シリアのみが(「さまよえるオランダ人」の)ゼンダを表現しうる」と断言したという。ここでエーファ、ゼンダ、エリザベート、ヴェーヌスなど超ドラマチックな役柄を除いてはワーグナーのソプラノ役を次々と歌った。
シリアがヴィーラントの愛人であるというのも公然の事実で、ヴィーラントの死とともにバイロイトを去った。その後もクリュイタンスとロマンスがあったりして、今はクリストフ・フォン・ドホナーニ夫人である。
難役ルルなどでも高い評価を得た後、メゾソプラノに転じ怪演を披露しているという専らの噂だった。
ヘロディアスは元夫の兄弟であるヘロデと再婚をし、預言者ヨカナーンから不道徳者と烙印を押され、このヨカナーンは地下牢に幽閉されている。サロメは彼女の連れ子であり、ヘロデがサロメに性的な関心を寄せていることも十分に知っている。
サロメは牢の中のヨカナーンに異常なまでの関心を寄せ、「七つのヴェールの踊り」を所望するヘロデの要求と引き換えにヨカナーンの首を要求する。ヘロディアスはわが娘の常軌を逸した行動を止めることはなく、憎いヨカナーンの死を望んでいるためこの約束を叶えるようにサロメに加勢する(なんて母親!)。
「アルジェのイタリア女」のアグネス・バルツァもそうだったが世界の頂点を極めた人は例え全盛期を過ぎても十分にその当時の片鱗を垣間見ることができるよう。
バルツァが「イエヌーファ」の教会のおばさん役など名脇役として近年、高い評価を得るようになったように一流のワーグナー歌手だったシリアもヘロディアスというメゾソプラノの個性的な脇役で演奏会形式とは思えない優れた歌唱と演技を披露した。
カタリーナ・ベーンケもブリュンヒルデやトゥーランドットを歌えるほどのドラマチックな声の持ち主ではないらしいが、同作品のジークリンデ、そしてこのサロメ役で高い評価を得ている歌手のようである。容姿もドラマチックソプラノにありがちな巨体‥ではなく、スマートな美しい方だった。七つのヴェールの踊りのシーンは「ストリップ」ではなく踊りながら7つの仮面を次々につけ、これを放つという演出だった。
女性陣の充実ぶりに比べるとヘロデやヨカナーンの外国招聘の男声陣はいまひとつ。その点、日本人テノール井ノ上了吏(ナラボート)の甘い声が甘美な「サロメ」の音楽にはぴったりはまっていた気がする。
われわれの歌ったヴェルレクには不向きな声質だと思ったけど…。
気になるアルミンク指揮による新日本フィルだが、はっきり言ってオペラの演奏機会の少ないオケとは思えない高品質な演奏!
「七つのベール踊り」の音楽の官能的なことといったらこの上ない。この部分は特にR・シュトラウスのオーケストレーションが絶妙で聴き手もヘロデと同じく気分がどんどん高揚していき、煽情的にさせられる。しかしオケがダメだとまったく心がなびかないだろう。(私は比較的よい時期にあたっているらしくそういう経験はない。)
楽屋口から出てきたアルミンクはジーパンをはいた普通の青年だった。
「マエストロは次の予定がありますので…」とマネージャーさんに連れて行かれた。シリヤにはバイロイト音楽祭サバリシュ指揮の「タンホイザー」CDにサインを頂いた。すっかり婆ちゃんだった(*_*)。