4月9日(日)午後4:00開演のサントリーホールオペラ『トゥーランドット』観てきました。

作曲:ジャコモ・プッチーニ(フランコ・アルファーノ補筆)
指揮:ニコラ・ルイゾッティ
演出・装置・衣装:デニー・クリエフ
照明:石井幹子
トゥーランドット:アンドレア・グルーバー
カラフ:ヴィンチェンツォ・ラ・スコーラ
リュー:スヴェトラ・ヴァシーレヴァ
ティムール:ジャコモ・プレスティア
皇帝:鈴木寛一
ピン:ガブリエーレ・ヴィヴィアーニ
パン:ジャンルーカ・フローリス
ポン:櫻田亮

リューを歌ったスヴェトラ・ヴァシーレヴァがとっても良かった!!
姿も可憐そのものだったし役柄にぴったり!
タイトルロールのアンドレア・グルーバーも迫力の歌声と威厳に満ちた姿が印象的。
ティムールのプレスティアもボローニャ歌劇場来日公演「清教徒」でその深々としたバスを聴いて以来でしょうか・・・相変わらずの美声に酔った。

ただヴィンチェンツォ・ラ・スコーラはもっとロブストな声のカラフをイメージしてきた人には肩透かしになったでしょうね。
彼ならではのアプローチでスピントなこの役を歌いきったのですが、「ラ・スコーラのカラフでは物足りない」という人がいても仕方ないと思う。
少し前に彼がピンカートンを歌う「蝶々夫人」がBS2で放映されたのですが、とびきりの美声だしこの役にはぴったりだった~つまり主役を盛り上げる役なんてのがぴったりみたい・・・。

ラ・スコーラには「華」がない。

以前テレビ番組で新3大テノールの一人に作家の林真理子がラ・スコーラに押していたが、それはどうかと思う。
要は主役をはれるようなタイプの歌手ではないのだ。
資質は十分に持っているだけにそれが惜しい。
ちなみに私自身はラ・スコーラのカラフ、嫌いではなかった。

演出は配布されたプログラムによると…
舞台上手にある四角形は、自然な姿、つまりカラフ、リュー、ティムールの家。下手にある球体は、トゥーランドットに象徴される寓話の世界。そしてその両者を結ぶのが、三角形の上でのピン、パン、ポンの典型的コメディア・デラルテ、或いは人形劇の世界で、この三人が何回も姿形を変えて現れます。
…というプランだったらしい。

ピン、パン、ポンと役人は顔面白塗り。
ピン、パン、ポンは舞台上を面白おかしく動き回り、時には山高帽をかぶり葉巻をくわえ「ボブ・フォッシー」スタイルを決め込む。
役人は狂言回し役で歌う場面になると舞台下手から「すすっ」と出てくる。
球体に乗ったトゥーランドットを回転させ客席に向かせたりするのも狂言回したる役人の役割。
あとの演出はいたってシンプルで特筆すべきことはなかった。

だが、だがである。

「リューの死」の場面で咽頭癌のためプッチーニ自身が亡くなり、これを若き作曲家フランコ・アルファーノがトスカニーニの推薦により補筆作曲され、この初演の際トスカニーニがこの場面で指揮棒を止め

ここの部分でジャコモ・プッチーニ氏は作曲を中断しました。

と聴衆に告げたのは有名な話。

今回の舞台でもこれをやっちゃったのである。
指揮が止まり、暗転。未完の部分はアルファーノによって補筆されたとの旨が字幕で出ると、譜面台が舞台上に出現し、衣装を黒のフォーマル衣装に替えたトゥーランドットとカラフが歌う完全なる「演奏会形式」になっちゃったのである。

ええ゙っ~そんなのあり???

って思ったのは私だけではないはず。
最後まで演出付で観たかったなぁ・・・。