沖縄民間観光案内所、アーストリップの分析
<強みについて>
・沖縄の自然、施設に圧倒的に詳しい。
(ヒミツのビーチ、海の洞窟、プロボディボーダーのショップ・・・)
・その自然の中でのオリジナルな遊び方に詳しい。
(川、海トレッキングのノウハウ、日没や潮の干満を計算したおいしい場所の研究・・・)
・子供に好かれるスタッフが多く、家族向けの企画に強い。
(家族全員参加のアドベンチャーツアー等。元保母などのスタッフも。)
・沖縄の有用人脈が多い。
(ハタ織りの人間国宝、カリスマバックパッカー、地ビール大手社長、行政・民間の観光業界関係者・・・)
・若者層(18~20代後半)のファンを全国に多く持つ。
(富士山100人登山企画、東京での旅トークライブ等のシリーズ企画・・・)
・JNTO認可の「観光案内所」であり、観光業界に対するスタンスが中立。
(旅行会社、他のツアー会社も紹介情報として扱うため、バッティングしない)
<USPについて>
戦後政策として補助金が手厚く出続けている沖縄は、観光立県でありながら、実は観光に関する情報発信が少ない。行政の担当セクションも、ポスターと物産展程度の活動が主で、「海」以外のセールスポイントをうまく伝えられているとは言い難い。
また、生活コストの安さ、相互扶助の県民性、南国特有の気質も相まって、ホテルやレストラン、琉球ガラス工房などの、ひとつひとつの「観光コンテンツ」が自らのセールスポイントを売り込むスキル・ノウハウを磨いておらず、「口をあけて客を待っている」状態。
その中で、
「海だけじゃなく、川も山も、滝も楽しませる企画商品を持つ」
「沖縄・琉球の文化、ココロの伝承させる、というコンセプトを意識」
「観光地としての仮想敵を、ハワイ・グアムではなく、バリにおいている」
「Webとリアルな店舗を持ち、計画的なメディア露出でブランド化を意識」
「若者層を中心とした顧客の組織化を推進」
「全国縦断、富士登山等、沖縄外のシリーズ企画商品を持つ」
という特徴を持つアーストリップは特異な存在と言える。
ただし、その中でも最もユニークなセールスポイントは、
「観光案内所であるため、沖縄の全観光コンテンツを商材とできている」
という点。
<意味性について>
アーストリップは、沖縄全体の誘客UPを狙っている。
現状でも、沖縄ブームと景気回復の恩恵を受け、毎年10%程度、観光客数が増加しているが、これは計画的にマーケティングされた誘客の結果によるものではない。
また、観光客のほとんどは「海」をイメージし、「リゾート」を求めて沖縄に来ていると思われ、よく言われる「沖縄に行く予算があればハワイやグアムに行ける。」という顧客側の発想から、「海外であることの付加価値」に負けてしまう。
しかし近年、
「沖縄のゆるい空気に癒されたい」
「沖縄の食べ物はヘルシーだ」
「日本語が通じ、羽田から行ける沖縄はやはり身近」
という沖縄の価値が見直されてもきている。
ただし、
「沖縄、琉球の文化、ホスピタリティ溢れる県民性」
をうまく伝えられていないために、「沖縄よりハワイ」に負けるケースもいまだ多い。
一方、これまで
「生活ができればあくせくしなくても充分幸せだと感じる気質」
「国の補助金で食えなくなる心配がない」
ために、観光業界、各観光コンテンツ、行政ともに
「計画的なマーケティングノウハウがない」
「ゆえに誘客手法にコンセプト性を欠き、手法もマンネリ」
「顧客を楽しませるサービス、商品の開拓が遅れている」
など、観光客を受入れる側のサービスレベルの問題も強く残る。
アーストリップの事業の意味性は、下記のとおり。
「真の沖縄の楽しみ方を開発し、顧客と受入れ側に伝え、誘客に貢献する。」
「顧客と受入れ側双方を各々組織化し、沖縄と繋がっていること自体を癒しとする」
次回は、アーストリップの事業の価値設計について書きます。