《英語コラム》”日本語の『あ』は、英語の5つの『あ』”

日本語は母音が5個、子音9個で、母音と子音の組み合わせで発音しますよね。一方、英語は母音が約15個、子音が約24個で、母音+子音で発音する時もあれば、子音だけの場合もあるので、音としては圧倒的に日本語よりも多くなります。
これは何を意味するのでしょう。

例えば、私達日本人が『あ』だと思ってしまう英語の音は『5つ』あるそうです。なので、聞いたときに、それぞれ違う音だと思ったとしても、きっとこれは日本語の「あ」なんだと頭で認識しまい、違う5つの音すべてを日本語の『あ』1つで発音してしまいがちです。低学年の子供達が、日本語が上達するにつれて徐々に発音が日本語っぽくなってくるのはこのためですよね。

(大きくなると日本語耳になってしまうので、勝手にフィルターを作ってしまい、5つを聞き分けるのも難しくなってきます。)

英語話者にとっては、5つの音それぞれに意味があるわけなので、きちんと言い分けをしていないと、いったいどの『あ』なのかわからない⇒何を指しているのかわからない、となってしまいます。

もちろん前後の文脈から推測して理解している事も多いんですが、逆に正しい発音であれば、つたない英語でも通じやすいということです。発音ってやっぱり大切ですね。

 

教室では、まずは発音の大切さを繰り返し伝えています。日本で育ち日本語だけで生活している子供たちにとって、発音の大切さを理解するのは、想像以上に大変です。(恥ずかしがったり、気持ち的に大切さの実感が湧かないお子様がほとんどです。)

 

教室では(小さな子供達は真似っこが得意ですので)音声を真似る事がいい発音への近道と伝え、とにかく音声をたくさん聞き、真似るように促しています。

 

レッスンでは、小学生低学年のフォニックス学習の際に、発音の仕方(口や舌の使い方等)を教え、個々の単語の発音練習をします。

その後は、ダイアログやパッセージの音読、ロールプレイ、リーディングブックの音読の際などに、必要に応じて発音・音をつなげる・リズムを作る・リンキング・強弱をつける等のポイントを説明しています。

 

幼児の頃は(耳コピで覚えるので)素晴らしかった発音が、小学生になり単語が読めるようになると徐々に日本語風になっていくことが多いのですが、それを発音学習や啓蒙を通して、意識的に英語風に発音できるようになると、徐々に良い発音が定着していきます。