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後にSFホラー映画の金字塔『遊星からの物体X』を産むこととなる、ハワード・ホークス製作による映画『遊星よりの物体X』をレビュー。


遊星よりの物体X

原題:The Thing from Another World

製作年:1951年(アメリカ)

ジャンル:SF/ホラー

監督:クリスティアン・ナイビイ、ハワード・ホークス(ノンクレジット)

脚本:チャールズ・レデラー

原作:ジョン・W・キャンベル『影が行く』

製作:ハワード・ホークス

音楽:ディミトリ・ティオムキン

キャスト:マーガレット・シェリダン、ケネス・トビー、ロバート・コーンスウェイト、and more…


『遊星よりの物体X』のあらすじ/概要

アラスカの科学研究所は、謎の飛行物体が落下し磁力計が狂っていることを発見する。司令部から到着したヘンドリー大尉(ケネス・トビー)は、キャリントン博士(ロバート・コーンスウェイト)から報告を受け、スコット記者(ダグラス・スペンサー)らと共に落下地点に向かい、一部分を除き氷に埋もれた円盤を発見する。氷から掘り起こすためにテルミット爆弾を使用するが、爆破と共に円盤に引火、円盤は爆発し飛散する。ガイガーカウンターが反応する辺りを調べると氷の中に人のような「物体」が確認できた。ヘンドリー大尉たちは、氷ごと「物体」を掘り出し基地に持ち帰る。


その後、倉庫に運び込まれた「物体」の監視役バーンズ伍長(ウィリアム・セルフ)が怪しい影に襲われる。ヘンドリー大尉の一行が倉庫を調べに行くと、溶けた氷には人型の跡が残っていた。「物体」は外の犬を殺し逃走して姿を消した。キャリントン博士は犬に噛み千切られた残骸の一部を調べ、「物体」が遊星より飛来した植物組織生物で、動物の血を吸って成長し、知力と腕力は人類より優れた怪物であることを突き止める。残骸の一部は成長する速度が速く、人類の脅威となる「物体」だった。


人類のために即刻撃滅を望む軍と貴重な研究資料として培養を主張する科学者が対立する。

Wikipediaより抜粋


『遊星よりの物体X』の感想/レビュー



ということで、SFホラー映画の傑作であり金字塔である『遊星からの物体X』のリメイク元である『遊星よりの物体X』がプライムビデオに見放題で転がってたのでサクッと鑑賞。



『遊星からの物体X』という聳え立つ金字塔を鑑賞していることを大前提として、1951年製作のこのSFホラーが鑑賞に耐える作品であるのかどうかというところが最大の争点であるが(知らんけど)、個人的には意外と、と言うか、余裕で観れました。

勿論SF作品としてもホラー作品としても、まだまだ技術など発展途上の時代にあるため、チープはチープである。

映画としての魅せ方も、SFホラーとしての恐怖半分、いや、1/3、科学者の狂気1/3、ハワード・ホークスと言うか、この時代のアメリカ映画特有の、やっすい皮肉やジョークでのやりとり1/3と言ったところであろうか。



さらに、『遊星からの物体X』という、男臭い作品には一切登場しないロマンスシーンもあり。

このロマンスシーン、マジでいらん。しかしこれは、1951年のハワード・ホークス製作映画であるということを加味すると、そらこうなりますわなと。


そして、もう一つの最大の争点であるところの、リメイク元とリメイク先で何が違うのかということですが。



極寒の地の閉鎖空間であるという設定以外何もかも違う。

クリーチャーの造形が違うとか言う前に、タイプが違う。こちらは物理。あちらは侵蝕。


そしてこうなって。



こう。(ビリビリー)



まぁ仕方ないね!


ということで総評

ツッコミどころは満載である。火星人っていつ決まったんや?とか、もうちょっとその未知の物体やら何やら慎重に扱いなさいよ。雑すぎだよ。とか。如何にもアメリカン。悪い意味での無骨である。繊細さの欠片もない。設定ガバガバ。

そして1番の恐怖は、宇宙人でもなんでもなく、人間。

特にお約束ではあるが、未知との遭遇を前にマッドサイエンティストと化する科学者の心理である。

それにしても、制作された年代としての娯楽映画、制作がハワード・ホークスということを考えると、これも全然ありなんとちゃうかなと思います。

この時代特有の、いい意味でか悪い意味でか知らないけれど、アメリカンの軽妙なトークやジョークが楽しめると言う人は、それなりに楽しめる映画なのではなかろうか。


星3つ!